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底地の売却とは?売り先の選び方と、借地人・地代・評価の考え方

オーナー収益革命 編集部

底地の売却とは?売り先の選び方と、借地人・地代・評価の考え方

底地は、人に貸して家が建っている土地のことで、売っても借地の契約は続きます。この記事では、底地を売るときの売り先の考え方、借地人への伝え方、地代や相続税での評価との関係を整理します。

結論

  • 底地とは、借地権が付いた土地、つまり人に貸して相手の建物が建っている土地のことです。売っても借地の契約は続き、買主は地主の立場を受け継ぎます(民法605条の2)。
  • 底地の売り先は、主に「借地人」「第三者」の2つです。自由に使えない土地なので、まず借地人に買う意思があるかを確かめるのが基本の考え方です。
  • 相続税では、底地(貸宅地)は、自用地としての価額から借地権の価額を引いて評価します(財産評価基本通達25)。
  • 売る前に、契約書・地代の記録・境界と登記をそろえておくと、どの売り先でも話が進めやすくなります。

「親から相続した土地に、知らない人の家が建っている。地代は少なく、固定資産税を払うと手元に残らない」。「底地を売りたいが、だれが買ってくれるのか分からない」。底地を持つ方から、こうした相談が寄せられます。

底地は、持っていても自分では使えません。そのため、売るときの考え方も、更地とは大きく違います。

この記事では、底地の意味から、売り先ごとの違い、借地人への伝え方、売ったあとに続く関係までを順に説明します。借地人の側の基本は借地権の相続に、土地を貸すときの借地権の種類は土地を貸す方法にまとめています。

底地とは

底地の意味

底地(そこち)とは、借地権の付いた土地のことです。土地の持ち主(地主)は土地を貸し、借りた人がその上に自分の建物を持っています。

借地借家法2条では、借地権を「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」と定めています。底地は、この借地権の「下にある土地」という意味の呼び名です。

底地を持つ人ができること

地主は、地代を受け取れます。一方で、借地の契約が続く間は、土地を自分で使ったり、自由に建物を建てたりはできません。

借地借家法10条では、借地人が土地の上に自分の名義で登記した建物を持っていれば、借地権の登記が無くても第三者に主張できると定めています。底地を買った人も、その借地権を受け入れることになります。

底地を売ると何が起きるか

地主の立場は買主に移る

民法605条の2第1項では、借地借家法10条などで対抗できる賃貸借がある不動産を譲ったとき、賃貸人の地位は買主に移ると定めています。

つまり、底地を売っても、借地人との契約は終わりません。買主が新しい地主になり、地代を受け取ります。

登記をしないと地代を請求できない

同じ条の3項では、地位の移転は、所有権の移転の登記をしなければ借地人に主張できないとされています。買主は、登記を済ませてから地代を請求します。

借地人の承諾は要らない

民法612条は、借りている側が権利を譲るときの決まりです。地主が底地を売るときに、借地人の承諾は要りません。

ただし、地代の払い先が変わるので、売ったことは借地人に知らせます。知らせないと、地代の行き違いが起きます。

底地の売り先の比べ方

売り先ごとの違い

売り先特徴気をつける点
借地人土地と建物の持ち主が一つになり、相手は自由に使える土地を得る相手に買う意思と資金があるか
第三者(個人や会社)地代収入を目的に買う人がいる自由に使えない土地として値が付く
借地人と共同で売る底地と建物(借地権)をまとめて一つの土地として売る両者の合意と、代金の分け方の話し合い

借地人に先に聞く理由

借地人が底地を買うと、土地と建物の持ち主が同じになります。借地人にとっては、地代を払わずに自由に使える土地になるため、売買の意味がはっきりしています。

第三者に売る前に、まず借地人に買う意思があるかを確かめておくと、あとでもめにくくなります。

共同で売るという考え方

地主と借地人が同じ時期に手放したいなら、底地と借地権をまとめて売る方法もあります。買主は、借地の付かない土地と建物を手に入れられます。

代金をどう分けるかは、両者の話し合いで決めます。分け方の目安は法律で決まっていないので、売却の会社や不動産鑑定士の意見を聞きます。

ポイント

  • 底地は、借地権が付いた、自分では使えない土地
  • 売っても借地の契約は続き、買主が地主の立場を受け継ぐ
  • 底地を売るのに、借地人の承諾は要らない
  • まず借地人に買う意思を確かめ、次に第三者を考える

底地の売却の手順

手順

  1. 土地の賃貸借の契約書、地代の受け取りの記録、土地の登記を集める
  2. 借地の期間、地代の額、更新の時期を整理する
  3. 境界がはっきりしているかを確かめる
  4. 借地人に、売却を考えていることと、買う意思があるかを聞く
  5. 売却の会社に相談し、売り先と価格の考え方を決める
  6. 売買契約を結び、所有権の移転の登記をする
  7. 借地人に、新しい地主と地代の払い先を知らせる

地代の見直しとの関係

借地借家法11条では、税金の増減、土地の価格の変動、近くの地代との比べ方で、地代が不相当になったときは、当事者が将来に向けて増減を請求できるとしています。

地代が長く据え置きなら、売る前に見直しの話をする道もあります。ただし、話し合いがまとまらないと関係がこじれることがあるので、急がずに進めます。

地代の増額の話し合いがまとまらない間、借地人は相当と思う額を払えばよいとされています(借地借家法11条2項)。一方的に値上げを決めることはできません。

底地の評価と税金の考え方

相続税での評価

国税庁の財産評価基本通達25では、借地権の目的となっている宅地(貸宅地)は、自用地としての価額から借地権の価額を引いて評価するとされています。

自用地としての価額とは、ほかの人の権利が付いていないとしたときの土地の評価額です。底地は、そこから借地人の権利の分を差し引いた額になります。

売る価格は評価額と同じではない

相続税の評価額は、税金を計算するための額です。実際に底地が売れる価格は、売り先や地代、借地の条件で変わります。

評価額だけを見て値段を決めず、複数の会社の意見を聞きましょう。査定の受け方は不動産査定の種類にまとめています。

売ったときの税金

底地を売って利益が出ると、譲渡所得として所得税と住民税がかかります。計算の基本は売却の税金をご覧ください。

場面で考える底地の売却

場面1:借地人が買いたいと言った

地代の話をしたついでに、借地人から「いずれ土地を買いたい」と言われた例です。資金の準備の時期を聞き、売却の会社に価格の考え方を相談してから、条件を話し合いました。

場面2:借地人に買う予定が無い

借地人に聞いたところ、買う予定は無いと言われた例です。地代収入を目的に買う第三者を探す方向に切り替え、契約書と地代の記録をそろえて売却の会社に任せました。

場面3:相続人が複数で、底地を分けにくい

兄弟で底地を相続し、だれも使えないので売りたい例です。共有のままだと話がまとまりにくいので、先に遺産分割の話し合いを進めました。共有の解き方は共有名義の解消を参考にしてください。

よくある失敗

  • 借地人に何も伝えず第三者に売り、地代の払い先で行き違いが起きる
  • 契約書が見つからず、期間や地代の条件を説明できない
  • 境界が分からず、売買の話が止まる
  • 相続税の評価額を、そのまま売る価格だと思い込む

チェックリスト

  • 土地の賃貸借の契約書がある
  • 地代の受け取りの記録が数年分ある
  • 土地の登記の名義が、今の持ち主になっている
  • 境界の目印や測量図がある
  • 借地人の名前と連絡先が分かっている

言葉の言い換え

  • 底地:借地権が付いた土地
  • 貸宅地:税金の評価での底地の呼び名
  • 自用地としての価額:権利が付いていないとした土地の評価額
  • 賃貸人の地位:地主としての立場

底地を持ち続けるか売るかの分かれ道

持ち続けるのが向く場合

  • 地代が安定して入り、固定資産税を払っても手元に残る
  • 借地人との関係がよく、連絡が取りやすい
  • 将来、借地人が手放すときに土地が戻る見込みがある

売るのが向く場合

  • 地代が低く、税金を払うとほとんど残らない
  • 相続人が複数いて、共有のまま持ち続けるのがむずかしい
  • 借地人と連絡がつきにくく、管理の手間が重い
  • 自分では使えない土地を、次の世代に残したくない

借地人への伝え方

借地人には、まず会って事情を話すのがよい進め方です。「売るので出て行ってほしい」という話ではないことを、最初に伝えます。

底地を売っても、借地の契約は続きます。この点を伝えるだけで、借地人の不安はかなり小さくなります。

定期借地権の底地

借地には、更新のある普通借地権と、更新の無い定期借地権があります。定期借地権の底地は、期間が終われば土地が返ってくるため、普通借地権の底地とは見方が変わります。

契約書で、どちらの借地権かを必ず確かめましょう。種類と期間は土地を貸す方法で説明しています。

底地の売却で相続人どうしが話し合うこと

話し合う中身

  • 底地をだれが受け継ぐか、売るなら代金をどう分けるか
  • 借地人との窓口をだれが務めるか
  • 地代の受け取り口座を、だれの名義にするか
  • 売るまでの間の固定資産税を、だれが払うか

窓口を一人に決める理由

相続人がばらばらに借地人へ連絡すると、借地人が困ってしまいます。窓口を一人に決め、話し合った中身を家族で共有しておくと、借地人との関係を保ちやすくなります。

書類の引き継ぎ

親が地主だった場合、契約書や地代の記録が家の中に散らばっていることがあります。売る前に、契約書、地代の通帳、固定資産税の通知書を一か所に集めておきましょう。

底地を売るときのチェックの順番

  1. 契約書で、普通借地権か定期借地権かを確かめる
  2. 地代の額と、最後に見直した時期を確かめる
  3. 借地人に、買う意思があるかを聞く
  4. 売却の会社に、売り先ごとの価格の考え方を聞く
  5. 家族で、売るかどうかと代金の分け方を決める

順番を決めておくと、借地人と家族の両方に、同じ説明ができます。

言葉の言い換え(売却の場面)

  • 売り先:底地を買ってくれる相手
  • 所有権の移転の登記:土地の持ち主が変わったことを登記簿に書くこと
  • 譲渡所得:土地などを売って得た利益にかかる所得のこと

よくある質問

底地を売るのに、借地人の承諾は要りますか?
要りません。ただし地代の払い先が変わるので、売ったことは借地人に知らせます。
底地を売ったら、借地の契約はどうなりますか?
契約は続き、買主が地主の立場を受け継ぎます(民法605条の2)。
底地はだれが買いますか?
主な売り先は、借地人と、地代収入を目的にする第三者です。まず借地人に買う意思を確かめるのが基本です。
底地の相続税の評価はどう決まりますか?
財産評価基本通達25で、自用地としての価額から借地権の価額を引いて評価します。
売る前に地代を上げられますか?
借地借家法11条の要件にあたれば、増額を請求できます。話し合いがまとまらないと、借地人は相当と思う額を払えばよいとされています。

底地の売却の相談先

底地や借地の扱いに慣れた会社は、売却の会社一覧から探せます。会社の選び方は売却の会社の選び方、土地の売却の注意点は土地の売却の注意点、境界の確かめ方は境界確定測量をご覧ください。複数の会社に聞きたいときは一括相談の使い方が使えます。

まとめ

  • 底地は、借地権が付いた、自分では使えない土地
  • 売っても借地の契約は続き、買主が地主の立場を受け継ぐ
  • 売るのに借地人の承諾は要らないが、売ったことは知らせる
  • 売り先は、借地人と第三者。まず借地人の意思を確かめる
  • 相続税の評価は通達25の考え方で、売る価格とは別に考える

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