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サブリース付きの新築提案で確かめること|建築の契約より先に見る7つの点

オーナー収益革命 編集部

サブリース付きの新築提案で確かめること|建築の契約より先に見る7つの点

アパートの新築とサブリースをセットで提案されたときに、契約の前に確かめる点を整理します。勧誘する建設会社にかかる決まり、説明を受ける時期、資料の読み方、断り方まで順番に説明します。

結論

  • サブリース付きの新築提案では、建築の請負契約を結ぶ前に、サブリース契約の重要事項説明の書面を受け取り、家賃の変更・解約・費用の分担を確かめることが大切です。
  • 建築の契約を先に結ぶと、サブリースの条件に納得できなくても、すでに多額の借入れや支払いの約束が生じています。
  • サブリース会社に代わって勧誘する建設会社も「勧誘者」として、賃貸住宅管理業法の誇大広告と不当な勧誘の禁止の対象になります。

「土地にアパートを建てれば、30年間一括で借り上げます」。建設会社の営業担当から、こうした提案を受けるオーナーは少なくありません。空室の心配がなく、相続の対策にもなると聞けば、心が動くのは自然なことです。

ただ、新築とセットの提案は、建物を建てる話と、建てた後に借り上げてもらう話の2つが重なっています。2つの話は契約も相手も別です。片方だけを見て決めると、後から「聞いていた話と違う」となりかねません。

この記事では、新築とセットのサブリース提案を受けたときに、どの順番で何を確かめればよいかを説明します。サブリースそのものの仕組みは「サブリースの仕組み」で整理しています。

サブリース付きの新築提案とは

サブリース付きの新築提案とは、建設会社などが、オーナーの土地に賃貸住宅を建てる企画と、完成後にサブリース会社が建物を一括で借り上げる契約を、まとめて勧めるものです。

国土交通省のガイドラインでも、サブリース会社が、賃貸住宅の建設を請け負う建設業者などと連携して勧誘することが一般的に行われていると書かれています。

2つの契約に分けて考える

契約相手中身
建築の請負契約建設会社建物を建てる約束と、工事代金の支払い
サブリース契約(マスターリース契約)サブリース会社完成した建物を借り上げ、家賃を払う約束
借入れの契約金融機関建築の資金を借りて返す約束

3つの契約は、それぞれ別に成り立ちます。サブリース会社が家賃を下げても、建築の代金や借入れの返済額は変わりません。この関係を最初に押さえておくと、提案の読み方が変わります。

言葉の言い換え

  • 特定賃貸借契約:法律でのサブリース契約の呼び名。オーナーとサブリース会社の契約
  • 特定転貸事業者:法律でのサブリース会社の呼び名
  • 勧誘者:サブリース会社に代わって、サブリース契約を勧める人や会社
  • 重要事項説明:契約の前に、決められた事項を書面で説明すること

建設会社も「勧誘者」として決まりを守る

勧誘者にかかる2つの禁止

賃貸住宅管理業法28条は、サブリース会社と勧誘者に、家賃や解除などの条件について、事実と著しく違う広告を禁じています。29条は、判断に影響する重要な事実を、わざと告げなかったり、事実でないことを告げたりする勧誘を禁じています。

国土交通省のガイドラインは、勧誘者にあたる例として、建設業者が土地への賃貸住宅の建築を提案する際に、サブリース会社が作った資料を使って事業計画を説明したり、サブリース契約を勧めたりする場合を挙げています。

わざと告げないことにあたる例

ガイドラインは、次のようなことをあえて伝えず、メリットだけを伝える勧誘を、事実を告げない行為の例として挙げています。

  • 将来、家賃が減額される可能性があること
  • 契約期間中でも、サブリース会社から解約される可能性があること
  • オーナーからの解約には、借地借家法の正当な事由が必要なこと
  • 維持保全や原状回復、大規模修繕の費用をオーナーが負担すること
  • 新築当初の数か月間、家賃が支払われない免責期間があること

「家賃100%保証で、絶対に損はしない」といった断定的な説明も、事実でないことを告げる行為の例として示されています。

違反した勧誘者には、国土交通大臣が指示をしたり、1年以内の期間を限って勧誘の停止を命じたりできます(賃貸住宅管理業法33条・34条)。広告の決まりは「サブリースの誇大広告」で詳しく説明しています。

新築の提案で確かめる7つの点

提案書や事業計画書を受け取ったら、次の7つを確かめます。どれも、契約の前に書面で示されるべき事項です。

1. 家賃はいつ、どう見直されるか

借地借家法32条により、契約に「○年間は減額しない」とあっても、サブリース会社は経済事情の変動などを理由に家賃の減額を求めることができます。事業計画の家賃が、ずっと同じ額で続く前提になっていないかを見ます。減額を求められたときの考え方は「サブリースの賃料減額」にまとめています。

2. 免責期間はあるか

新築の直後は、入居者が集まるまで家賃を払わない期間を設ける契約があります。期間の長さと、その間の返済をどうまかなうかを確かめます。詳しくは「サブリースの免責期間」で説明しています。

3. 修繕や設備の費用はだれが払うか

借り上げてもらっても、建物の大規模な修繕はオーナーの負担になることが多くあります。どの工事をどちらが払うのか、分担の表で確かめます。

4. サブリース会社から解約できるか

契約期間が長くても、サブリース会社からの解約の申入れができる定めがあるかを見ます。「30年借り上げ」は、30年間家賃が変わらない約束とは限りません。

5. オーナーから終えるときの条件

オーナーから更新を断ったり、途中で解約したりするには、借地借家法28条の正当の事由が必要です。違約金の定めがあるかもあわせて確かめます。

6. 契約は普通借家か定期借家か

どちらの契約かで、家賃の減額請求や更新の扱いが変わります。契約書の頭書や重要事項説明書の契約期間の欄を見ます。

7. 家賃が下がっても返済できるか

事業計画の家賃を何割か下げた場合や、空室が続いた場合でも、借入れの返済と修繕の積立てが続けられるかを試算します。計算の前提は、自分で数字を入れ替えて確かめるのが安全です。

事業計画書のどこを見るか

提案には、毎年の家賃収入と返済額を並べた事業計画書がつくことが多くあります。見るのは、収入の欄よりも前提の欄です。

  • 家賃の額が、何年目まで同じ額で置かれているか
  • 空室や免責期間による収入の減りが、計算に入っているか
  • 修繕費や固定資産税など、オーナーが払う費用が入っているか
  • 金利が上がった場合の返済額が、別に示されているか

前提が書かれていない計画書は、数字の根拠を質問して書面で答えてもらいましょう。答えを比べることで、提案の確かさが見えてきます。

ポイント

  • 新築の提案は、建築・サブリース・借入れの3つの契約に分けて読む
  • 「○年借り上げ」は、家賃が変わらない約束とは限らない
  • 家賃が下がった場合でも返済が続くかを、自分で試算する

説明を受ける順番と時期

建築の契約より前に、重要事項説明を受ける

ガイドラインは、サブリースを前提に建物を建てる場合、建築の請負契約を結んだ後で重要な事項を知っても、すでに多額の債務が生じていると指摘しています。そのため、勧誘の時点でサブリースのリスクを伝えること、重要事項説明書の第一面にあたるリスクの説明書面を渡して説明することが望ましいとしています。

説明から契約まで1週間程度あける

ガイドラインは、重要事項の説明から契約を結ぶまでに、1週間程度の十分な期間をおくことが望ましいとしています。説明の当日に署名を求められたら、持ち帰って読み直す時間を取りましょう。

進め方の順番

  1. 提案書と事業計画書を受け取り、3つの契約に分けて整理する
  1. サブリース会社の重要事項説明書の案を、建築の契約より前にもらう
  1. 7つの確認点を書き出し、分からない点を質問として渡す
  1. 家賃を下げた場合の返済を、自分で試算する
  1. 必要なら、ほかの会社の提案や管理の方法と比べる
  1. 説明から1週間程度あけて、納得できてから契約を決める

提案を受けたときの分かれ道

サブリースにするか、管理を任せるか

建てた後の運営は、サブリースだけではありません。管理会社に管理だけを任せ、家賃は入居者から直接受け取る方法もあります。空室の影響を受ける代わりに、家賃の見直しを求められる仕組みとは別になります。サブリースのよい点と向く人は「サブリースのメリット」で比べています。

建てるか、建てないか

そもそも建てるかどうかも、ほかの活用と比べて決められます。土地のまま貸す方法は「土地を貸す方法」、駐車場は「駐車場経営の始め方」で説明しています。

たとえば、相続した土地で提案を受けたHさん

Hさんは、親から相続した土地に、建設会社からアパートの新築とサブリースを勧められました。営業担当は「30年一括借り上げなので安心です」と話しました。

Hさんは、建築の契約の前にサブリース会社の重要事項説明書の案を求めました。読むと、家賃を定期的に見直す定めがあり、新築当初に免責期間もありました。家賃を下げた場合の返済を試算したうえで、ほかの活用方法と比べてから決めることにしました。

よくある失敗とチェックリスト

よくある失敗

  • 建築の契約を先に結び、サブリースの書面を後から受け取った
  • 事業計画の家賃が、30年間同じ額で計算されていた
  • 大規模修繕がオーナー負担だと知らなかった
  • 説明の当日に、その場で署名してしまった

断りたいときは

賃貸住宅管理業法施行規則43条は、契約しない意思を示した人に、しつこく勧誘することなどを禁じています。断るときは「契約しません」とはっきり伝え、日時と相手を記録しておきます。困ったときの相談先は「サブリースのトラブルの相談先」にまとめています。

契約前のチェックリスト

  • 建築・サブリース・借入れの契約を分けて整理した
  • 重要事項説明書を、建築の契約より前に受け取った
  • 家賃の見直しの時期と、減額の可能性を確かめた
  • 免責期間と、その間の返済の手当てを確かめた
  • 修繕の費用の分担を、表で確かめた
  • 双方からの解約の条件と違約金を確かめた
  • 家賃が下がった場合の返済を試算した

よくある質問

新築とセットのサブリースは、建設会社とサブリース会社のどちらと契約しますか?
建物の工事は建設会社と、借り上げはサブリース会社と、別々に契約します。グループ会社でも契約は分かれるので、両方の書面を確かめてください。
「30年一括借り上げ」なら家賃は変わりませんか?
変わることがあります。借地借家法32条により、サブリース会社は契約の定めにかかわらず、経済事情の変動などを理由に家賃の減額を求めることができます。
重要事項説明はいつ受ければよいですか?
建築の契約より前が安全です。ガイドラインは、説明から契約までに1週間程度の期間をおくことが望ましいとしています。
建設会社の説明が事実と違っていたら?
建設会社も勧誘者として、不当な勧誘の禁止の対象です。書面や記録を残し、国土交通省の申出制度などの相談先に相談できます。
新築の提案を断っても、しつこく勧誘されたら?
契約しない意思を示した人へのしつこい勧誘は、施行規則で禁じられています。はっきり断り、日時と相手を記録しておきましょう。

関係する記事と相談先

契約前の説明の中身は「サブリースの重要事項説明」、契約全体の注意点は「サブリースの注意点」で説明しています。戸建ての場合は「一括借上げは戸建てでもできる?」も参考になります。提案を比べたいときは会社一覧から探すか、まとめて相談することもできます。

まとめ

  • 新築の提案は、建築・サブリース・借入れの3つの契約に分けて読む
  • 提案する建設会社も勧誘者として、誇大広告と不当な勧誘の禁止の対象になる
  • 重要事項説明書は、建築の契約より前に受け取る
  • 説明から契約まで、1週間程度あけて読み直す
  • 家賃の減額・免責期間・修繕・解約の条件を確かめ、返済を自分で試算する

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