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空き家

空き家の雨漏りは放置しない|見つけ方と直す順番、火災保険を使う前の注意

オーナー収益革命 編集部

空き家の雨漏りは放置しない|見つけ方と直す順番、火災保険を使う前の注意

人が住まない空き家では、雨漏りに気づくのが遅れ、柱や床の傷みまで進んでしまいがちです。雨漏りの見つけ方、応急処置から修理までの順番、保険を使うときの注意を整理します。

結論

  • 空き家の雨漏りは、見回りで天井・壁・窓まわりのしみ、押し入れのぬれ、かび臭さを確かめて見つけます。大雨や台風の後は臨時に見に行きます。
  • 直す順番は、①写真で記録する、②水を受けて家財を移す応急処置、③専門の会社に原因を調べてもらう、④修理、です。
  • 保険で直せるかは、被害の原因と契約の内容で決まります。「保険金で自己負担なく直せる」と訪ねてくる業者とは、すぐに契約しないよう国民生活センターが呼びかけています。
  • 国の空家法の管理指針は、雨水浸入の痕跡を点検対象に挙げています。放っておくと、建物の傷みが進むだけでなく、周りへの危険にもつながります。

台風が過ぎた翌週、実家を見に行ったら、和室の天井に茶色いしみができていた。いつからなのか分からない。空き家では、こうした「気づいたときには進んでいた」雨漏りが少なくありません。

住んでいれば、ぽたぽたという音や床のぬれで、すぐに気づけます。空き家では、雨の日に家の中を見る人がいません。屋根裏や壁の中で水が回り続け、柱や床が傷んでから見つかることがあります。

この記事では、空き家の雨漏りの見つけ方、見つけたあとに何をどの順番でするか、保険を使うときに気をつけたいことを説明します。

空き家の雨漏りとは

雨漏りの意味

雨漏りとは、屋根や外壁、窓のまわりのすき間から雨水が建物の中に入ることです。天井から水が落ちてくるものだけでなく、壁の中や屋根裏で水がしみているものも含みます。

空き家では、後者の「見えない雨漏り」が問題になりやすいのが特徴です。

なぜ空き家で見つかりにくいのか

国の空家法の管理指針は、空き家は不具合の発生が見つかりにくく、傷みが早く進む傾向があると書いています。そのうえで、屋根の変形や外装材の剥がれ、構造部材の腐朽、雨水浸入の痕跡を、点検する事象として挙げています。

つまり、雨漏りは「見つけて直す」ことが空き家の管理の大事な柱の1つです。持ち主には、空家法第5条で、周りの生活環境に悪い影響を与えないよう適切に管理する努力が求められています。

空き家の雨漏りの見つけ方

家の中で見る場所

見回りのときは、次の場所を順に見ていきます。

  • 天井(特に部屋の角、照明のまわり)のしみや、はがれ
  • 壁紙の浮き、しみ、カビ
  • 窓枠やサッシの下のぬれ、黒ずみ
  • 押し入れの天井と奥の壁
  • 2階の床(1階の天井のしみの真上)
  • 畳や床のしけり、たわみ

家の外で見る場所

外からは、屋根の瓦やスレートのずれ・割れ、雨どいの外れや詰まり、外壁のひび割れを見ます。高い所に上るのは危ないので、地上から見える範囲で確かめ、気になる所は写真を撮っておきます。

雨漏りが起きやすい場所

雨水の入り口になりやすいのは、屋根の瓦やスレートのずれ、屋根の板金のつなぎ目、外壁のひび割れ、窓やサッシのまわり、ベランダの床や排水口です。雨どいが落ち葉で詰まると、あふれた水が壁を伝って中に入ることもあります。

家の中のしみの場所と、外から見た傷みの場所を写真で並べておくと、調べる会社が原因の見当をつけやすくなります。

においと前回との比べ方

雨漏りがあると、かび臭さが強くなることがあります。天井のしみは、前回の写真と比べて広がっていないかを確かめます。広がっていれば、今も水が入っている疑いが強くなります。

臨時に見に行くとき

国の管理指針は、地震、強風、大雨、大雪の後には、点検対象の事象が起きていないかを確かめる必要があるとしています。強風や大雨の前にも、部材の剥がれなどの兆しがないかを確かめておくことが望ましいとしています。

ポイント

  • 天井・壁・窓まわり・押し入れの奥のしみを見る
  • しみは写真で記録し、次の見回りで広がりを比べる
  • 台風や大雨の後は、決まった見回りとは別に見に行く

空き家の雨漏りを直す順番

見つけたあとの流れ

雨漏りを見つけたら、次の順番で進めます。

  1. 被害の場所と範囲を写真で記録する(天井、床、家財、外から見た屋根)
  1. バケツやシートで水を受け、ぬれそうな家財を別の部屋へ移す
  1. 火災保険の契約内容を確かめ、保険会社か代理店に連絡する
  1. 屋根や外壁を扱う専門の会社に、原因を調べてもらう
  1. 見積もりを受け取り、修理の範囲と費用を比べて決める
  1. 修理のあと、次の雨の後にもう一度確かめる

応急処置でできること

自分でできる応急処置は、水を受ける、家財を移す、ぬれた所を拭いて換気する、といった家の中の作業です。屋根に上ってシートをかけるのは、転落の危険があるため、専門の会社に任せるのが安心です。

原因を調べてから直す

雨水の入り口と、しみが出る場所は、離れていることがあります。しみの真上だけを直しても止まらない場合があるため、原因を調べてから修理範囲を決めます。修理費は、原因や建物によって大きく違います。

修理の会社に伝えること

原因を調べてもらうときは、次のことを伝えると話が早く進みます。

  • しみに気づいた日と、その前の見回りの日
  • どの部屋の、どの位置にしみがあるか(写真)
  • 大雨や台風の後に広がったかどうか
  • これまでに屋根や外壁を直したことがあるか
  • 空き家で、ふだんは人が住んでいないこと
  • 今後、住む・貸す・売る・解体するのどれを考えているか

今後の予定を伝えるのは、修理の範囲を決めるためです。数年以内に解体するなら応急の修理で足りることもあり、貸すなら長く持つ直し方が向いています。

直すか、ほかの道を選ぶか

雨漏りが長く続き、柱や床まで傷んでいる場合は、修理の費用が大きくなることがあります。そのときは、直して貸す・直さずに売る・解体するなどを比べます。比べ方は「空き家の活用方法の比較」が参考になります。

空き家の雨漏りと保険の関係

保険で直せるかは原因と契約で決まる

火災保険は、契約で決めた事故による損害に保険金を払うしくみです。台風などの風の被害が対象になる契約もあれば、補償の範囲を絞っている契約もあります。雨漏りが保険の対象になるかは、被害の原因と、契約の内容をもとに保険会社が判断します。

まずは保険証券と約款で、風や雪の被害が対象か、空き家の扱いがどうなっているかを確かめます。空き家の保険の見直しは「空き家の火災保険」で詳しく説明しています。

請求には期限がある

保険法第95条は、保険給付を請求する権利は、行使できる時から3年間行使しないと時効で消えると定めています。契約によっては、事故の連絡の期限が別に決められていることもあります。雨漏りに気づいたら、早めに保険会社へ連絡します。

「保険で自己負担なし」の勧誘に注意

国民生活センターは、「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘する業者とのトラブルについて注意を呼びかけています。うその理由で保険金が請求されたり、屋根に細工をされたりする悪質な例もあるとしています。

国民生活センターのアドバイスは、すぐに契約しない、保険契約の内容を確かめてまず保険会社に相談する、うその理由で保険金を請求しない、不安なときは早めに消費生活センター等に相談する、というものです。

突然訪ねてきて「屋根がずれている」と点検を持ちかける業者には、安易に点検させないよう国民生活センターが呼びかけています。訪問販売の契約は、特定商取引法第9条により、書面を受け取った日から数えて8日を過ぎるまでなら、申込みの撤回などができます。困ったときは消費者ホットライン188に相談できます。

新しい家なら売主・施工会社の責任も確かめる

新築から10年以内の場合

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条は、新築住宅の請負人が、引き渡しから10年間、雨水の浸入を防止する部分などの瑕疵(欠陥)について責任を負うと定めています。

親が比較的新しく建てた家を相続した場合は、引き渡しの時期と、建てた会社の連絡先を確かめておくと、修理の相談先が広がります。

売るときの伝え方

雨漏りがあった空き家を売るときは、その事実と修理の内容を買主に伝えることが大切です。伝えないまま売ると、あとで契約の内容に合わないとして責任を問われることがあります。考え方は「契約不適合責任と売主」で説明しています。

よくある失敗と、その避け方

失敗1:しみの写真を撮らずに拭いてしまう

あとで保険会社や修理の会社に説明するとき、元の状態が分からなくなります。触る前に、まず写真を撮ります。

失敗2:最初に来た業者とその場で契約する

雨漏りを見つけた直後は、早く直したい気持ちが強くなります。複数の会社から見積もりを取り、原因の説明に納得してから決めます。

失敗3:雨がやんだら忘れてしまう

雨漏りは、雨がやむと目立たなくなります。しかし、壁の中や屋根裏では湿気が残り、カビや腐朽が進みます。修理が終わるまでは、見回りの間隔を詰めます。湿気への備えは「空き家の管理方法」も参考にしてください。

場面の例:遠方に住む相続人の場合

実家から遠く離れて住んでいる相続人は、台風の後にすぐ見に行けないことがあります。その場合は、近くの親族や管理を任せる会社に、外回りと天井の確認を頼んでおくと、見つかるまでの時間を短くできます。

場面の例:これから貸すつもりの場合

雨漏りを直さないまま貸し出すと、入居後に天井から水が落ち、家財をぬらすなどの問題が起きかねません。貸す前に原因を直し、次の大雨の後に止まったことを確かめてから募集を始めると安心です。直して貸す進め方は「空き家のリノベーション賃貸」で説明しています。

雨漏りを見つけたときのチェックリスト

  • しみ・ぬれ・家財の被害を写真に撮った
  • 水を受ける容器を置き、家財を移した
  • 保険証券と約款で、補償の範囲を確かめた
  • 保険会社か代理店に連絡した
  • 2社以上から原因の説明と見積もりを受けた
  • 修理のあと、次の雨の後に確かめる予定を立てた

よくある質問

空き家の雨漏りを放置するとどうなりますか?
柱や床、屋根の下地が腐って傷みが早く進みます。国の管理指針は雨水浸入の痕跡を点検対象としており、傷みが進むと周りへの危険にもつながります。
空き家の雨漏りに火災保険は使えますか?
被害の原因と契約の内容によります。風や雪の被害が補償に含まれているかを保険証券で確かめ、まず保険会社か代理店に相談してください。
保険金の請求に期限はありますか?
保険法第95条では、請求する権利は行使できる時から3年で時効になります。契約で事故の連絡期限が別にあることもあるため、早めに連絡します。
雨漏りの修理費用はいくらかかりますか?
原因の場所、建物の構造、傷みの広がりで大きく違います。原因を調べてもらい、複数の会社の見積もりで比べます。
雨漏りのある空き家でも売れますか?
売ることはできます。雨漏りの事実と修理の有無を買主に伝えたうえで、直してから売るか、そのまま売るかを比べます。

次に読みたい記事と相談先

修理せずに手放すことも考えるなら、「空き家の売却の流れ」や、建物の状態を確かめる「インスペクションと売却」が役立ちます。売却を手がける会社は売買の会社の一覧から探せます。

直すか売るか迷うときは、一括相談の使い方をご覧のうえ、まとめて相談してみてください。

まとめ

  • 空き家の雨漏りは、天井・壁・窓まわり・押し入れの奥のしみと、においで見つける
  • 大雨・台風・大雪の後は、決まった見回りとは別に確かめに行く
  • 直す順番は、記録→応急処置→保険会社へ連絡→原因の調査→修理
  • 保険で直せるかは原因と契約で決まり、請求の権利は3年で時効になる
  • 「保険で自己負担なし」と訪ねてくる業者とは、すぐに契約しない

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