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賃貸の保証会社加入を条件にするときの考え方|登録制度と契約の確かめ方

オーナー収益革命 編集部

賃貸の保証会社加入を条件にするときの考え方|登録制度と契約の確かめ方

賃貸で保証会社への加入を入居の条件にするオーナーが増えています。この記事では、家賃債務保証のしくみ、連帯保証人との違い、国の登録制度で確かめられること、条件にするときの手順と注意点を整理します。

結論

  • 賃貸で保証会社への加入を条件にするとは、借主に家賃債務保証業者と保証委託契約を結んでもらうことを、入居の条件にすることです。
  • 保証会社は国土交通省の告示による任意の登録制度で、登録の有無を確かめられます。登録は5年ごとの更新制です。
  • 条件にする前に、保証の範囲と限度額、保証の期間、滞納時の連絡のしかたを確かめ、募集条件と契約書にはっきり書くことが大切です。

「連帯保証人を頼める親族がいない、という申込みが増えた」。「保証人に連絡がつかず、滞納の回収に苦労した」。こうした経験から、保証会社への加入を入居の条件にするか迷うオーナーは多いでしょう。

保証会社を使えば、個人の保証人を探す負担は減ります。一方で、保証会社によって保証の範囲や手続きは違います。中身を確かめずに決めると、思っていた保証が受けられないこともあります。

この記事では、保証会社への加入を条件にするときの考え方を、国の登録制度と標準契約書をもとに整理します。保証会社とサブリースの違いは「家賃保証とサブリースの違い」で説明しているので、ここでは「加入を条件にするか」と「条件にするなら何を確かめるか」に絞ります。

賃貸の保証会社とは

家賃債務保証のしくみ

家賃債務保証業とは、賃貸住宅の借主から頼まれて、借主の家賃の支払いを保証することを業として行うことです。保証会社は、借主が家賃を払わないときに貸主へ立て替え、あとで借主に請求します。

国土交通省の賃貸住宅標準契約書の解説では、こうした保証を「機関保証」と呼んでいます。個人の連帯保証人に代わり、会社が保証する形です。

契約はだれとだれが結ぶか

契約当事者中身
賃貸借契約貸主と借主部屋を貸す・借りる
保証委託契約借主と保証会社借主が保証会社に保証を頼む

標準契約書の家賃債務保証業者型の第17条は、保証の内容は別に定めるところによるとし、貸主と借主は、契約と同時に保証を使うための手続きをとらなければならないとしています。保証が契約の始まりの日から使えるようにするためです。

保証会社と連帯保証人の違い

比べる点保証会社個人の連帯保証人
保証する人家賃債務保証業者(多くは会社)親族などの個人
上限の決まり保証会社が示す「保証の限度額」民法465条の2の極度額が必要
保証の範囲保証会社との契約による極度額の範囲で、借主の債務全体
借主の負担保証委託料がかかる保証人を探す手間
死亡などのとき保証会社との契約による借主か保証人の死亡で元本が確定

個人の連帯保証人には、極度額を書面で決めないと保証が効力を生じないなど、民法の決まりがあります。極度額の書き方は「賃貸住宅標準契約書」の記事でも説明しています。

両方を求めることもできるが

保証会社への加入と連帯保証人の両方を求めることもできます。ただし、借りる人の負担が増え、申込みが減ることもあります。募集のしやすさとの釣り合いで考えましょう。

国の登録制度で確かめられること

家賃債務保証業者登録制度とは

国土交通省は、家賃債務保証の業務を適正にするため、告示による登録制度を設けています。告示の公布は平成29年10月2日、施行は同年10月25日です。登録は任意で、登録しなくても営業はできます。登録は5年ごとに更新を受けなければ効力を失います。

登録している会社は、国土交通省の「登録家賃債務保証業者一覧」で確かめられます。令和8年9月30日時点の登録事業者数は125者です。

登録した会社が守るルール

家賃債務保証業者登録規程では、登録した会社に次のようなルールを定めています。

  • 借主などの私生活や業務の平穏を害する言動をしない(第11条)
  • 契約の前に、保証の範囲・限度額・保証委託料などを書面で説明する(第17条)
  • 借主から受け取った、貸主に払うべき家賃を自社の財産と分けて管理する(第24条)
  • 営業所ごとに、決められた標識を掲げる(第22条)

むずかしい言葉の言い換え

  • 保証委託契約:借主が保証会社に保証を頼む契約
  • 保証委託料:その保証を頼むために借主が払うお金
  • 求償(きゅうしょう):保証会社が立て替えた分を、借主に請求すること
  • 事前求償:立て替える前に、借主に支払いを求めること
  • 機関保証:個人ではなく会社などの機関が保証すること

契約前の書面に書かれる事項

第17条で、契約の前に説明する事項は次のとおりです。オーナーも、この書面の写しを見せてもらうと中身を比べやすくなります。

  1. 会社の名前・住所・電話番号
  2. 登録番号と登録年月日
  3. 保証期間
  4. 保証の範囲
  5. 保証の限度額
  6. 保証委託料(更新のときの料金を含む)
  7. 途中で解除したときの保証委託料の返し方
  8. 求償権(立て替えた分を借主に請求する権利)の使い方
  9. 事前求償の定め、違約金や損害賠償の定め、相談や苦情の窓口

ポイント

  • 加入を条件にするなら、登録の有無を確かめる
  • 保証の範囲と限度額で、何が守られるかを確かめる
  • 保証期間と更新の扱いを確かめる
  • 契約前の書面の写しで、複数の会社を比べる

加入を条件にするときの手順

  1. 管理会社と相談し、どの保証会社を使えるかを確かめる
  2. 候補の会社が、国の登録業者一覧に載っているかを確かめる
  3. 保証の範囲と限度額、保証期間、滞納のときの連絡のしかたを比べる
  4. 募集条件に「保証会社加入必須」などと、はっきり書く
  5. 契約書に保証会社の名前・所在地・登録番号を書く
  6. 契約の始まりの日から保証が使えるよう、手続きの完了を確かめる
  7. 緊急時の連絡先を、借主に書いてもらう

判断の分かれ道:加入を条件にするか

次のような場合は、保証会社への加入を条件にすることを考えてよいでしょう。

  • 保証人を頼める親族がいない申込みが多い地域や物件である
  • 滞納のときに、自分で保証人へ連絡し回収する手間をかけられない
  • 遠方に住んでいて、物件の近くで対応できない

反対に、長く住む方が多く、親族の保証人を立ててもらいやすい物件なら、連帯保証人だけで足りることもあります。どちらにするかは、募集のしやすさと滞納への備えのバランスで決めます。

管理会社に聞いておくこと

  • 使える保証会社はどこか。複数から選べるか
  • 保証の範囲に、原状回復費用や退去後の費用が入るか
  • 滞納が起きたとき、だれがいつ保証会社に知らせるか
  • 保証の更新の手続きは、だれが管理するか

標準契約書の書く場所

賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版・家賃債務保証業者型)では、頭書(6)に保証会社の所在地、商号(名称)、電話番号、登録番号を書く欄があります。登録している場合は、その番号を書くよう案内されています。

緊急時の連絡先を忘れない

保証会社の保証は、家賃などのお金についての保証です。標準契約書の解説では、保証会社を使う場合、借主の安否確認などには「緊急時の連絡先」を活用することが考えられるとしています。

保証期間と更新の確かめ方

保証には期間があり、賃貸借の更新にあわせて保証も更新する形が多くあります。更新のときに保証委託料がかかるかどうかも、第17条で契約前に説明する事項です。

賃貸借を更新したのに保証の手続きが漏れると、保証のない期間ができてしまうおそれがあります。だれが更新の時期を管理するかを、管理会社と決めておきましょう。

保証会社を使っても残るオーナーの仕事

  • 申込みを受けるかどうかの最終判断
  • 建物や設備の修繕と、日々の管理
  • 退去のときの立会いと原状回復の確認
  • 滞納が起きたときの、保証会社への連絡(管理会社に任せる場合は、その確認)

注意したいこと

保証会社の審査とオーナーの判断は別

保証会社が保証を引き受けても、契約するかを最後に決めるのはオーナーです。審査の考え方は「入居審査のポイント」で説明しています。

使ってはいけない条項がある

令和4年12月12日の最高裁判決で、滞納があれば保証会社が無条件で無催告解除できる条項などの使用が差し止められました。国土交通省は、登録した会社にこうした条項を使わないよう求めています。契約書に似た条項がないかを確かめましょう。

高齢の方や外国籍の方の申込み

住宅確保要配慮者(高齢の方など、住まいを借りにくい方)が使いやすい保証会社として、国土交通大臣が認定する「認定家賃債務保証業者」の制度もあります。外国語での対応をしている登録業者の一覧も、国土交通省が公表しています。受け入れの考え方は「高齢者の入居の受け入れ」「外国人の入居の受け入れ」も参考になります。

場面の例

Cさんは、築年数のたったアパートで空室が続いていました。連帯保証人を必須にしていたため、保証人を頼めない若い方の申込みを断っていたのです。

管理会社と相談し、登録業者の中から2社の書面を比べ、保証の範囲が広い会社を選びました。募集条件を「保証会社加入で連帯保証人不要」に変え、保証人を頼めない方の申込みも受けられるようにしました。募集条件の見直しは「賃貸の募集条件を見直す順番」にまとめています。

よくある失敗

  • 管理会社が決めた保証会社の中身を、一度も見ていない
  • 保証の範囲に原状回復費用が入っていると思い込む
  • 保証の更新の手続きが漏れ、途中で保証が切れる
  • 緊急時の連絡先を書いてもらわず、安否の確認ができない

加入を条件にする前のチェックリスト

  • 候補の保証会社は、国の登録業者一覧に載っているか
  • 保証の範囲と限度額は、滞納と退去時の費用に足りそうか
  • 保証期間と更新の手続き、更新のときの料金を確かめたか
  • 契約書に、使ってはいけない条項と似たものがないか
  • 募集条件と契約書に、加入が条件であることを書いたか
  • 緊急時の連絡先を、借主に書いてもらう段取りがあるか

よくある質問

保証会社への加入を入居の条件にしてもよいですか?
募集条件として求めることはできます。その場合は、募集の段階で条件をはっきり示し、契約書に保証会社の情報を書きましょう。
保証会社の登録は、どこで確かめられますか?
国土交通省のホームページの「登録家賃債務保証業者一覧」で確かめられます。令和8年9月30日時点で125者が登録しています。
登録していない保証会社は使えませんか?
登録は任意の制度なので、登録がなくても営業はできます。ただし、登録は会社を選ぶ判断材料のひとつになります。
保証会社を使えば、連帯保証人はいりませんか?
保証会社だけで足りるとすることも、両方を求めることもできます。両方を求めると借りる人の負担が増えるので、募集への影響も考えましょう。
保証会社には極度額が必要ですか?
民法465条の2の極度額は、個人の保証人の決まりです。保証会社の場合は、契約前の書面で示される「保証の限度額」を確かめます。

関係する記事と相談先

契約書のひな形は「賃貸住宅標準契約書」、滞納が起きたときの手順は「家賃滞納への対応の流れ」、管理会社のルールは「賃貸住宅管理業法」にまとめています。保証会社の扱いに慣れた管理会社は会社一覧から探せます。複数の会社にまとめて相談することもできます。

まとめ

  • 保証会社への加入を条件にするとは、借主に保証委託契約を結んでもらうことを入居の条件にすること
  • 保証会社が法人なら、個人の保証人の極度額の決まりはかからない
  • 国の登録制度は任意で、5年ごとの更新制。登録業者の一覧で確かめられる
  • 保証の範囲・限度額・期間を、契約前の書面で比べてから選ぶ
  • 標準契約書の頭書(6)に保証会社の情報を書き、緊急時の連絡先も用意する

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