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民泊の本人確認で外国人はどうする?旅券の写しの保存と対面・ICTの確認方法

オーナー収益革命 編集部

民泊の本人確認で外国人はどうする?旅券の写しの保存と対面・ICTの確認方法

民泊では、宿泊が始まるまでに宿泊者全員の本人確認が必要です。この記事では、日本に住所のない外国人宿泊者について、旅券の呈示と写しの保存、対面とICTによる確認の条件、拒まれたときの対応を、国のガイドラインに沿って整理します。

結論

  • 民泊(住宅宿泊事業)では、宿泊が始まるまでに、宿泊者それぞれについて本人確認を行う必要があります。確認は対面か、条件を満たすICT(情報通信技術)で行います。
  • 日本国内に住所を持たない外国人の宿泊者には、旅券(パスポート)の呈示を求め、その写しを宿泊者名簿とともに保存します。宿泊者名簿は作成の日から3年間保存します。
  • 旅券の写しを保存すれば、名簿の氏名・国籍・旅券番号の欄への記載に代えてもよいとされています。

海外からの予約が入ると、「パスポートは見せてもらう必要があるのか」「コピーを取ってよいのか」「非対面のチェックインでもよいのか」と迷うことがあります。

本人確認は、住宅宿泊事業法と国のガイドラインで方法が決められています。自己流で済ませると、名簿の記載が不十分になり、法律違反になるおそれがあります。

この記事では、外国人宿泊者の本人確認に絞って、何を、いつ、どうやって確かめ、何を残すのかを説明します。

民泊の本人確認とは

宿泊者名簿の正確さを確保するための措置

民泊の本人確認とは、宿泊者名簿に正しい内容を書くために、宿泊者が本人であることを確かめることです。住宅宿泊事業法8条は、宿泊者名簿を備えて、決められた事項を書くことを求めています。

住宅宿泊事業法施行規則7条1項では、名簿は「正確な記載を確保するための措置」を講じたうえで作り、作成の日から3年間保存するとしています。国のガイドラインは、この措置として、宿泊が始まるまでに宿泊者それぞれについて本人確認を行う必要があるとしています。

名簿に書く事項

宿泊者名簿に書く事項
すべての宿泊者氏名、住所、職業、宿泊日
日本国内に住所を持たない外国人上の事項に加えて、国籍と旅券番号

施行規則7条3項がこの区分を定めています。日本に住所がある外国人は、日本人と同じ事項を書きます。ガイドラインでは、代表者だけの記載は認めず、宿泊者全員を書くとしています。連絡先も書くことが望ましいとされています。

言葉の言い換え

  • 旅券:パスポートのこと
  • 呈示:相手に見せること
  • 宿泊者名簿:宿泊した人の情報を記録する帳簿。電子データで残すこともできる
  • ICT:テレビ電話やタブレットなど、情報通信の技術

外国人宿泊者の旅券の確認と写しの保存

ガイドラインが求める4つのこと

国のガイドラインは、警察庁からの依頼を受けた国の通知にもとづき、次のことに従って本人確認を行う必要があるとしています。

  1. 宿泊者に、名簿への正確な記載を働きかける
  1. 日本国内に住所を持たない外国人には、国籍と旅券番号の記載を徹底し、旅券の呈示を求め、旅券の写しを名簿とともに保存する
  1. 旅券の呈示を拒まれたら、国の指導による措置だと説明して改めて求める。さらに拒む場合は、旅券を持っていない可能性があるとして、最寄りの警察署に連絡するなど適切に対応する
  1. 警察官から職務上、名簿の閲覧を求められたら、必要な範囲で協力する

写しで記載に代えられる

ガイドラインでは、旅券の写しを保存すれば、その宿泊者の名簿の氏名・国籍・旅券番号の欄への記載に代えてもよいとしています。住所や職業、宿泊日の記録は別に必要です。

保存の期間と場所

施行規則7条では、名簿は作成の日から3年間保存し、届出住宅か、事業者の営業所・事務所に備えるとしています。旅券の写しは名簿とともに保存するものなので、同じ期間・同じ場所で管理するのが分かりやすいでしょう。名簿は、決まった条件のもとで電子データとして残すこともできます。

電子データで残す場合は、旅券の写しの画像と名簿の記録を、宿泊日や予約番号で結びつけておくと、あとで探しやすくなります。退去後に予約サイトの記録だけが残り、名簿として整っていない、ということがないようにします。

旅券の写しは大切な個人情報です。保存する場所を決め、見られる人を限り、保存期間が過ぎたものの扱いもあらかじめ決めておきましょう。

対面とICTによる本人確認の方法

対面か、対面と同じ程度のICT

ガイドラインでは、本人確認は対面か、対面と同じ程度の手段として、次の2つをどちらも満たすICTを使った方法で行う必要があるとしています。

条件内容
A宿泊者の顔と旅券が、画像ではっきり確認できること
Bその画像が、事業者や管理業者の営業所など、届出住宅の中、または届出住宅の近くから送られていると確認できること

方法の例として、届出住宅などに備えたテレビ電話やタブレット端末が挙げられています。

カメラを置くときの配慮

ガイドラインでは、本人確認のために室内にカメラを置く場合、盗撮などに悪用されないよう、チェックインのとき以外は通信や記録をしないなどの対応が望ましいとしています。

長く泊まる人への確認

清掃などの機会に、チェックインのときに本人確認をしていない人が泊まっていないか、不審な人がいないかを確かめることが望ましいとされています。特に宿泊の契約が7日以上のときは、定期的な面会(オンラインを含む)や電話で確かめることが望ましいとしています。

ポイント

  • 本人確認は、宿泊が始まるまでに宿泊者それぞれに行う
  • 日本に住所のない外国人は、旅券の呈示を求め写しを保存する
  • 非対面なら、顔と旅券が鮮明に見え、発信場所が確かめられるICTで行う
  • 宿泊者名簿は、作成の日から3年間保存する

管理業者に任せる場合と外国語の案内

委託するときは契約で方法を決める

民泊の管理を住宅宿泊管理業者に任せる場合、ガイドラインでは、名簿の正確な記載を確保する措置は管理業者の責任で行うとしています。本人確認の方法は、事業者と管理業者の間の管理受託契約で、はっきり取り決めておく必要があります。

誰が、どの道具で、いつ確認し、旅券の写しをどこに保存するのかを、契約書や業務の手順書に書いておきましょう。委託のしくみは「住宅宿泊管理業者への委託」で説明しています。

外国語での案内も義務

住宅宿泊事業法7条では、外国人観光旅客である宿泊者に、設備の使い方や交通手段について外国語で案内するなどの措置を求めています。ガイドラインでは、この「外国語」は、予約のときに日本語以外の言語として示したものとしています。

本人確認の手順や、旅券を見せてもらう理由も、その言語で事前に伝えておくと、チェックインのときの行き違いを減らせます。

場面の例で考える本人確認

例1:海外から3人のグループ、暗証番号の鍵で入室

予約のときに3人全員の氏名と住所を受け取り、日本に住所がないことを確かめます。到着時は、届出住宅に備えたタブレットのテレビ電話で、1人ずつ顔と旅券を映してもらいます。画像がはっきりしない場合は、映し方を変えてもらいます。確認できたら旅券の写しを残し、名簿の住所・職業・宿泊日を記入します。

例2:日本の会社に勤める外国人

日本国内に住所がある外国人なら、名簿には氏名・住所・職業・宿泊日を書きます。国籍と旅券番号は、この場合の記載事項ではありません。本人確認そのものは、ほかの宿泊者と同じく宿泊が始まるまでに行います。

例3:10日間の滞在

宿泊の契約が7日以上なので、ガイドラインに沿って、清掃の機会や定期的な連絡で、届け出た人が泊まっているかを確かめます。

警察から名簿の閲覧を求められたら

ガイドラインでは、警察官から職務上、宿泊者名簿の閲覧を求められた場合、捜査関係事項照会書の交付があるかどうかにかかわらず、職務の目的に必要な範囲で協力するとしています。

この閲覧に応じて個人情報を提供することは、照会書の交付がない場合でも、個人情報の保護に関する法律27条1項4号にもとづく適正な措置で、本人の同意は要らないと解されるとしています。慌てないよう、対応する人と手順を決めておきましょう。

よくある失敗と防ぎ方

失敗1:代表者の旅券だけを確認する

名簿には宿泊者全員を書く必要があります。グループの宿泊では、人数分の旅券を確認し、写しを残します。

失敗2:鍵の受け渡しだけ非対面にして確認を省く

鍵を暗証番号で渡す運用でも、本人確認は宿泊が始まるまでに必要です。テレビ電話などで、顔と旅券がはっきり見えるかを事前に試しておきます。

失敗3:日本に住む外国人にも旅券を求めて混乱する

国籍と旅券番号を書くのは、日本国内に住所を持たない外国人です。日本に住所がある外国人は、日本人と同じ事項を書きます。予約のときに住所を確かめておくと、当日の行き違いを防げます。予約サイトから届く情報だけで判断せず、名簿の項目に沿って聞き取るようにします。

チェックインのチェックリスト

  • 宿泊者全員の人数と氏名を、予約の情報と照らし合わせた
  • 日本に住所のない外国人の旅券を確認し、写しを取った
  • 住所・職業・宿泊日を名簿に書いた
  • 非対面なら、顔と旅券が画像ではっきり見えた
  • 名簿と旅券の写しを、決めた場所に保存した

守らないとどうなるか

住宅宿泊事業法76条では、8条1項(名簿の備え付けと記載)に違反した者は、30万円以下の罰金に処するとしています。また8条2項では、宿泊者は事業者から求められたら名簿の事項を告げなければならず、77条では、偽って告げた宿泊者は拘留または科料に処するとしています。

民泊の届出や運営の全体像は「民泊の届出の流れ」もあわせて確かめましょう。

よくある質問

外国人宿泊者のパスポートのコピーは取ってよいのですか?
ガイドラインは、日本国内に住所を持たない外国人について、旅券の写しを宿泊者名簿とともに保存するよう求めています。
非対面のチェックインでも本人確認はできますか?
顔と旅券が画像ではっきり確認でき、届出住宅の中や近くなどから送られていると確かめられるICTであれば、対面と同じ程度の方法として認められています。
旅券の写しはいつまで保存しますか?
宿泊者名簿は作成の日から3年間保存します。写しは名簿とともに保存するものなので、同じ期間を目安に管理します。
旅券を見せるのを拒まれたらどうしますか?
国の指導による措置だと説明して、改めて呈示を求めます。それでも拒まれたら、最寄りの警察署に連絡するなど適切に対応します。
日本に住んでいる外国人も旅券番号が必要ですか?
国籍と旅券番号を書くのは、日本国内に住所を持たない外国人です。日本に住所がある人は、氏名・住所・職業・宿泊日を書きます。
宿泊者名簿は紙で作らないといけませんか?
施行規則7条4項では、記載事項を電子データで記録し、必要に応じて紙に表示できるなら、それで名簿への記載に代えられるとしています。

関係する記事と相談先

民泊を始める全体の流れは「民泊の始め方」、チェックインなどを任せる会社の選び方は「民泊の運営代行の選び方」で説明しています。民泊に強い会社は民泊の会社一覧から探せます。複数の会社にまとめて相談することもできます。

まとめ

  • 本人確認は、宿泊が始まるまでに宿泊者それぞれに行う
  • 日本に住所のない外国人は、旅券の呈示を求め、写しを名簿とともに保存する
  • 旅券の写しで、名簿の氏名・国籍・旅券番号の欄に代えられる
  • 非対面なら、顔と旅券が鮮明に見え、発信場所が確かめられるICTを使う
  • 宿泊者名簿は作成の日から3年間保存する。管理業者に任せるなら方法を契約で決める

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