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古民家の活用方法5つ|宿泊・店舗・賃貸の違いと用途変更・旅館業の確認点

オーナー収益革命 編集部

古民家の活用方法5つ|宿泊・店舗・賃貸の違いと用途変更・旅館業の確認点

相続した古民家を、宿や店、賃貸住宅として生かす方法を5つに分けて比べます。工事を始める前に確かめたい、建築基準法の用途変更、旅館業の許可、用途地域の決まりを順に説明します。

結論

  • 古民家の活用方法は、①賃貸住宅、②シェアハウス、③宿泊施設(旅館業・民泊)、④店舗、⑤売却の5つに分けられます。
  • 宿や店にするときは、建築基準法の「用途変更」にあたります。その用途の床面積が200平方メートルを超えると、確認申請が必要です。
  • 宿にするなら、旅館業の許可か住宅宿泊事業の届出が必要です。始める前に、役所の建築の窓口と保健所に相談しましょう。

「祖父母の古民家を相続した。壊すのは惜しいが、住む予定もない」。そんな方から、宿やカフェにできないかという相談をよく受けます。

古民家は、太い梁や土間など、新しい家にはない魅力があります。一方で、使い方を変えると、建物や営業についての決まりが関わってきます。

この記事では、古民家の活用方法を5つに分けて比べます。それぞれで確かめたい法律の点と、始めるまでの手順も整理します。

古民家とは

古民家とは、一般に、昔ながらの工法で建てられた古い木造の住まいを指します。法律で決まった定義はなく、築年数で線を引く決まりもありません。

活用を考えるときは、名前よりも「今の建物の状態」と「これから何に使うか」が大切です。使い道によって、確かめる法律が変わるためです。

古民家の活用方法5つを比べる

方法主な使い道主に確かめる決まり
賃貸住宅移住者や家族に貸す借地借家法(普通借家か定期借家か)
シェアハウス複数の人に部屋を貸す建築基準法(寄宿舎などへの用途変更)、消防
宿泊施設旅館業の宿、民泊旅館業法または住宅宿泊事業法、建築基準法、消防
店舗カフェ、食堂、物販建築基準法(用途変更)、保健所の営業許可、消防
売却古民家を好む買い手に売る売買の契約、登記

賃貸住宅として貸す

住まいのまま貸すので、用途は変わりません。手続きはいちばん少なくてすみます。期間を区切りたいなら、更新のない定期借家も選べます。

シェアハウスにする

複数の人が台所や浴室を共有する形です。自治体によっては寄宿舎として扱われ、建物の決まりが厳しくなることがあります。詳しくは「シェアハウス改修の建物・消防」をご覧ください。

宿泊施設にする

古民家の宿は人気のある使い道です。旅館業の許可を取る方法と、住宅宿泊事業(民泊)の届出をする方法があります。

店舗にする

カフェや食堂、雑貨店などです。飲食店を開くには、保健所の営業許可が必要です。

売る

自分で活用しない場合は、古民家を好む買い手に売る道もあります。相続した家なら、名義の変更が先に必要です。

用途変更とは

定義

用途変更とは、建物の使い道を、住宅から旅館や店舗などに変えることです。建築基準法では、使い道によって守るべき決まりが違うため、変えるときにも決まりがかかります。

確認申請が必要になる場合

建築基準法第87条では、建物の用途を変えて特殊建築物にする場合に、確認申請の決まりを準用するとしています。対象は、その用途の床面積の合計が200平方メートルを超えるものです(第6条第1項第1号)。

特殊建築物には、次のようなものがあります。

  • ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎(建築基準法別表第一)
  • 飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積が10平方メートル以内のものを除く。建築基準法施行令第115条の3)

200平方メートル以下で確認申請がいらない場合でも、建物を建築基準法の決まりに合わせる必要はあります。役所の建築の窓口か建築士に、早めに相談してください。

用途地域の決まり

用途を変えるときは、地域ごとの建物の決まり(用途地域)も準用されます(第87条第2項)。たとえば第一種低層住居専用地域では、旅館やホテルは建てられない決まりです。住まいの多い地域の古民家ほど、先に確かめましょう。

文化財などの古民家

国宝や重要文化財に指定された建物は、建築基準法が適用されません(第3条第1項)。条例で保存の措置がとられ、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定した建物も同じです。自治体によって扱いが違うため、文化財の担当窓口に確かめます。

ポイント

  • 宿や店にするのは「用途変更」。200平方メートルを超えると確認申請が必要
  • 200平方メートル以下でも、建築基準法の決まりは守る
  • 用途地域によっては、旅館などに変えられない
  • 文化財などは、条例による扱いを自治体に確かめる

古民家を宿にするときの確認点

旅館業の許可

旅館業として宿を開くには、都道府県知事(保健所を設置する市や特別区は市長・区長)の許可が必要です。古民家の宿は、簡易宿所営業で許可を取ることが多い形です。

旅館業法施行令では、簡易宿所の客室の延床面積を33平方メートル以上としています。宿泊者を10人未満とする場合は、3.3平方メートルに宿泊者の数をかけた面積以上です。

住宅宿泊事業(民泊)の届出

住宅のまま人を泊める住宅宿泊事業なら、許可ではなく届出です。ただし、宿泊させる日数は1年間で180日を超えられません。違いは「民泊・旅館業・特区民泊の違い」で比べています。

借りた古民家で営業する場合

厚生労働省のQ&Aでは、他人から建物を借りて旅館業を営む場合、賃貸借契約で転貸が禁止されていないか、旅館業に使えるかを貸主に確かめる必要があるとしています。地域によっては旅館業の立地が禁止されている場合もあります。

古民家活用を始める流れ

  1. 使い道の候補を2つほどに絞る
  1. 登記で名義と面積を確かめる。相続した家なら、先に名義を変える
  1. 役所の建築の窓口で、用途地域と用途変更の要否を相談する
  1. 宿なら保健所、店なら保健所の営業許可の窓口、どちらも消防署に相談する
  1. 建築士に建物の状態を見てもらい、直す範囲と費用の見積もりを取る
  1. 運営を自分でするか、会社に任せるかを決める
  1. 必要な許可・届出を済ませてから、募集や営業を始める

よくある失敗

  • 工事を始めてから用途変更にあたると分かり、計画をやり直した
  • 用途地域で旅館が建てられない場所だと、後から知った
  • 床面積を測り直したら、200平方メートルを超えていた
  • 相続の名義が親のままで、許可の申請が進まなかった
  • 消防の設備が必要だと知らず、開業が遅れた
  • 借りた古民家で宿を始めようとして、賃貸借契約で転貸が認められていなかった
  • 近所に知らせずに開業し、人の出入りや車の置き場で苦情が出た

判断の分かれ道

手間をかけられるか

宿や店は、毎日の運営が必要です。手間をかけられないなら、賃貸住宅として貸すか、運営を会社に任せる道があります。

直す費用をかけられるか

古民家は、屋根や柱、水回りの直しが必要なことがあります。費用は建物によって大きく違います。見積もりを取ってから、使い道を最終的に決めましょう。

立地で向く使い道が変わる

観光地や景色のよい場所なら、宿として選ばれやすくなります。住まいの多い地域なら、賃貸住宅やシェアハウスが合うことがあります。ただし、住まいの多い地域は用途地域の決まりで宿にできないこともあります。立地の魅力と法律の決まりを、両方見て決めましょう。

たとえば、宿にしたいと考えた場合

たとえば、山あいの集落にある祖父母の古民家を相続したFさん。広い座敷を生かして、一棟貸しの宿にしたいと考えました。

Fさんは工事の見積もりを取る前に、役所の建築の窓口で用途地域と用途変更の要否を聞きました。次に保健所で旅館業の許可の基準を、消防署で必要な設備を確かめました。名義が祖父のままだったため、相続登記も並行して進めました。

順番を守ったことで、許可が取れない工事にお金をかける心配が減りました。窓口ごとに聞いたことは、日付と担当者を書き留めておくと後で役立ちます。

段階を分けて始める

いきなり大きく直さず、まず賃貸住宅として貸してみる方法もあります。住まいのまま貸すなら用途は変わりません。様子を見てから、宿や店への切り替えを考える進め方です。

古民家ならではの確認点

建物の状態

古い木造の建物は、雨漏り、柱の傷み、床下の湿気などが起きていることがあります。見た目がよくても、中が傷んでいる場合があります。建築士などに見てもらい、直す範囲を一覧にしましょう。

図面と面積

古民家は、建てたときの図面が残っていないことがよくあります。用途変更の200平方メートルの線を判断するにも、面積を正しく知る必要があります。登記の面積と実際の面積が違うこともあるため、測り直しも考えます。

火災への備え

木造の古民家を、多くの人が泊まる宿や、人の集まる店にすると、火災への備えがより大切になります。必要な設備は、使い道や広さによって違います。工事の計画を立てる前に、消防署に相談しましょう。

近所との関係

集落や住宅地の古民家では、宿や店にすることで人の出入りが増えます。開業の前に、近所や自治会に計画を伝えておくと、のちの行き違いを防ぎやすくなります。

増築や改築の跡

長く住み継がれた家は、途中で増築や改築をしていることがあります。いつ、どこを直したかが分かる資料があれば、相談のときに持っていきましょう。

言葉の言い換え

言葉意味
用途変更建物の使い道を、住宅から宿や店などに変えること
特殊建築物旅館や飲食店など、多くの人が使うため決まりが厳しい建物
確認申請工事の前に、計画が法律に合っているか役所などに確かめてもらう手続き
用途地域地域ごとに、建ててよい建物の種類を決めた区分
簡易宿所宿泊する場所を多くの人で共用する形の宿

よくある質問

古民家をカフェにするのに手続きは必要?
必要です。飲食店を開くには保健所の営業許可がいり、飲食店の床面積が200平方メートルを超えるなら用途変更の確認申請も必要です。
古民家を宿にするには?
旅館業の許可を取るか、住宅宿泊事業の届出をします。住宅宿泊事業は、宿泊させる日数が1年間で180日までです。
用途変更の確認申請はいつ必要?
住宅から旅館や飲食店などの特殊建築物に変え、その用途の床面積が200平方メートルを超えるときです。
200平方メートル以下なら何もしなくていい?
確認申請はいりませんが、建築基準法の決まりに合わせる必要はあります。旅館業の許可や消防の手続きも別に必要です。
古民家を貸すだけなら許可はいる?
住まいとして貸すだけなら、用途変更や旅館業の許可はいりません。契約の形は普通借家か定期借家かを選びます。
相談はどこから始めればいい?
まず役所の建築の窓口で、用途地域と用途変更の要否を確かめます。宿や店にするなら、次に保健所と消防署に相談します。

古民家活用の相談先を探すには

当メディアの会社一覧では、公式ホームページの情報をもとに不動産会社をまとめています。宿にするなら民泊の会社一覧、複数人に貸すならシェアハウスの会社一覧、売るなら売買の会社一覧をご覧ください。ほかの活用方法は「空き家の活用方法」、民泊の始め方は「空き家を民泊に」、名義の変更は「相続登記の義務化」で説明しています。

まとめ

  • 古民家の活用は、賃貸住宅・シェアハウス・宿泊・店舗・売却の5つに分けて考える
  • 宿や店にするのは用途変更。その用途の床面積が200平方メートルを超えると確認申請が必要
  • 用途地域によっては、旅館などに変えられない
  • 宿は旅館業の許可か住宅宿泊事業の届出。簡易宿所には客室の面積の基準がある
  • 工事の前に、建築の窓口・保健所・消防署に相談する

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