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民泊の確定申告とは?所得区分は原則雑所得、必要経費の按分と申告が要る人

オーナー収益革命 編集部

民泊の確定申告とは?所得区分は原則雑所得、必要経費の按分と申告が要る人

民泊で得た収入は、所得税の確定申告が必要になる場合があります。この記事では、国税庁の考え方にそった所得区分、必要経費の分け方、申告が要る人と期限、消費税の扱いを整理します。

結論

  • 住宅宿泊事業法による民泊の所得は、国税庁の考え方では原則として「雑所得」です。宿泊者の安全確保や一定の宿泊サービスの提供が義務づけられ、単なる不動産の貸付けとは違うためです。
  • 例外として、賃貸の合間に一時的に民泊をした場合は不動産所得に含めてもよく、民泊で生計を立てるなど事業であることが明らかな場合は事業所得になります。
  • 会社員などで給与を1か所から受けている人は、民泊を含む給与以外の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。

「空き家で民泊を始めたら、思ったより予約が入った」。「副業の民泊の収入は、どの所得で申告するのだろう」。民泊を始めた人が最初につまずくのが、確定申告です。

民泊は家を貸す仕事に見えます。そのため、家賃と同じ不動産所得だと思い込みがちです。しかし、国税庁は民泊の所得を原則として雑所得としています。区分が違うと、経費の考え方や、ほかの所得との合わせ方も変わります。

この記事では、国税庁の考え方にそって、民泊の確定申告の基本を整理します。税額の計算は個別の事情で変わるので、迷ったら税務署や税理士に確かめましょう。

民泊の確定申告とは

民泊の確定申告とは、民泊で得た1年間(1月1日から12月31日)の所得を計算し、翌年に税務署へ申告することです。所得は、収入から必要経費を引いた金額です。

国税庁は平成30年6月13日に「住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業により生じる所得の課税関係等について(情報)」を出しています。所得区分や必要経費、住宅ローン控除などとの関係をまとめた資料です。この資料は平成30年4月1日現在の法令等で作られています。

民泊で出てくる言葉の言い換え

  • 住宅宿泊事業:住宅宿泊事業法の届出をして行う、いわゆる民泊
  • 雑所得:ほかの9つの所得のどれにも当たらない所得
  • 按分:生活用と民泊用が混ざった費用を、合理的な割合で分けること
  • 損益通算:ある所得の赤字を、ほかの所得の黒字と差し引きすること

民泊の所得区分:雑所得・不動産所得・事業所得

原則は雑所得

国税庁の情報では、自分が住む住宅を使った民泊の所得は、原則として雑所得とされています。理由として、宿泊の対価には、部屋の使用料のほか、寝具の賃貸料やクリーニング代、水道光熱費、清掃費、日用品費、観光案内などの役務の対価が含まれると考えられることを挙げています。

タックスアンサーNo.1906でも、民泊は利用者の安全管理や衛生管理、一定の観光サービスの提供などを伴うため、不動産所得ではなく雑所得に当たるとしています。

例外になる2つの場合

区分どんな場合か
雑所得原則。副業として民泊を行う場合など
不動産所得賃貸業をしている人が、賃貸の契約が終わってから次の契約までの間に、一時的に民泊をした場合(含めても差し支えない)
事業所得民泊の所得で生計を立てているなど、事業として行われていることが明らかな場合

民泊と賃貸を組み合わせる考え方は「民泊の180日ルールと残りの期間の活かし方」で説明しています。

雑所得になると変わること

タックスアンサーNo.1500では、雑所得の計算で生じた損失は、ほかの所得と損益通算できないとしています。また、No.2070では、青色申告ができるのは不動産所得・事業所得・山林所得がある人としています。

民泊を始めた年は、家具や備品の購入で赤字になりがちです。雑所得の赤字は給与などと差し引きできないので、「赤字だから税金が戻る」とは考えないようにしましょう。

民泊の必要経費と按分のしかた

必要経費になるものの例

国税庁の情報では、必要経費の具体例として次のものを挙げています。

  • 住宅宿泊仲介業者に払う仲介手数料
  • 住宅宿泊管理業者などに払う管理費用や広告宣伝費
  • 水道光熱費、通信費
  • 非常用照明器具の購入と設置の費用
  • 宿泊者用の日用品などの購入費
  • 民泊に使っている家屋の減価償却費
  • 固定資産税、民泊のための借入金の利子

生計を一にする配偶者やその他の親族に払う家賃などは、必要経費に入れられないとされています。

生活用と民泊用が混ざる費用は分ける

仲介手数料や管理費用のように民泊のためだけに払うものは、全額を必要経費にできます。一方、水道光熱費や固定資産税のように生活用と混ざる費用は、民泊の部分だけを経費にします。

国税庁の情報では、届出書に書いた民泊用の部分の床面積の割合や、実際に宿泊させた日数をもとにするなど、合理的な方法で按分するとしています。

按分の計算例

国税庁の情報には、次の計算例が載っています。

  1. 民泊に使った住宅の水道光熱費の年間合計額:240,000円
  1. 住宅の床面積180㎡のうち、主に民泊に使う部分:60㎡
  1. 1年間で実際に宿泊させた日数:90日
  1. 240,000円×60㎡/180㎡×90日/365日=19,727円を必要経費にする

ポイント

  • 民泊だけのための費用は、全額を経費にできる
  • 生活用と混ざる費用は、床面積や日数などで按分する
  • 按分の根拠になる届出書や記録を残しておく
  • 親族に払う家賃は、経費に入れられない

確定申告が必要な人と期限

会社員などの場合

タックスアンサーNo.1900では、給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象となる人は、給与・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超えると確定申告が必要です。国税庁の情報でも、年末調整を受けた人で民泊の所得が20万円以下なら、ほかに所得がなければ確定申告は不要としています。

ここでいう20万円は収入ではなく、収入から経費を引いた所得の金額です。

申告の期間

タックスアンサーNo.2020では、確定申告の期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。申告と納付の期限は、原則として翌年3月15日です。

業務の雑所得で知っておきたい決まり

タックスアンサーNo.1500では、業務に係る雑所得について次の決まりを示しています。

  • 前々年の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える人は、請求書や領収書などの現金預金取引等関係書類を保存する
  • 前々年の収入金額が1,000万円を超える人は、確定申告書に収支内訳書などを添付する
  • 前々年の収入金額が300万円以下の人は、確定申告書に記載すれば、実際に入金・支出した金額で計算する現金主義の特例を使える

民泊と消費税・住宅ローン控除

宿泊料は消費税の課税対象

国税庁の情報では、民泊の宿泊料は、ホテルや旅館などと同じく消費税の課税対象です。消費税法上、住宅の貸付けは非課税ですが、貸付期間が1か月未満の場合や旅館業の施設の貸付けにあたる場合は課税対象とされています。

ただし、基準期間(個人は前々年)の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として免税事業者になり、消費税の申告と納税の義務はありません。

住宅ローン控除は「生活用」の割合で決まる

住宅ローン控除を受けるには、床面積の2分の1以上を専ら自分の住まいに使っているなどの要件があります。国税庁の情報では、民泊に使う家屋で受けられるのは、現に人の生活の本拠として使っている家屋の場合に限られるとしています。

申告の準備:記録の残し方とよくある失敗

民泊の記録は申告の土台になる

住宅宿泊事業法では、宿泊者名簿を備えることになっています。施行規則では名簿を作成の日から3年間保存し、偶数月の15日までに前2か月の宿泊日数などを都道府県知事に報告するとしています。

宿泊日数や予約の記録は、按分の根拠にもなります。届出の後に続く手続きは「民泊の届出の流れ」で説明しています。

申告の準備のチェックリスト

  • 仲介サイトの売上明細を、1年分そろえたか
  • 仲介手数料や清掃費の領収書を分けて保管しているか
  • 民泊用の床面積と、宿泊させた日数を書き出したか
  • 家具や家電など、高い買い物の日付と金額を控えたか
  • 賃貸の合間の民泊か、副業か、事業かを整理したか

よくある失敗

  • 家賃と同じだと思い、不動産所得で申告してしまう
  • 生活費と混ざった光熱費を、全額経費にしてしまう
  • 仲介サイトの入金額だけを売上にし、手数料を引く前の金額を確かめていない
  • 20万円を「収入」の基準だと思い込む

たとえば、空き家で民泊を始めたCさん

会社員のCさんは、相続した空き家で民泊を始めました。家にはだれも住んでおらず、建物の全部を民泊に使っています。

Cさんは、仲介サイトの売上明細と、清掃費や管理費用の領収書を月ごとにまとめました。生活用の部分がないので、固定資産税などは按分の考え方を税務署で確かめることにしました。所得が20万円を超えたため、翌年3月15日までに申告する予定です。

たとえば、自宅の一部で民泊をするGさん

Gさんは、自宅の2階の1室を民泊に使っています。光熱費や固定資産税は、生活と民泊の両方にかかわります。

Gさんは、届出書に書いた民泊用の床面積と、予約の記録から数えた宿泊日数をもとに按分しました。按分の割合と計算のしかたをメモにして、領収書と一緒に保管しています。

所得区分を考える分かれ道

自分の民泊がどの所得になるか迷ったら、次の順番で考えると整理しやすくなります。最後は事情で判断が変わるので、迷ったら税務署に確かめましょう。

  1. ふだんは賃貸として貸していて、次の入居者が決まるまでの間だけ民泊をしたか。そうなら、不動産所得に含めてもよいとされる
  1. 民泊の所得で生計を立てているなど、事業として行うことが明らかか。そうなら、事業所得になる
  1. どちらでもなければ、原則どおり雑所得として考える

区分によって、損益通算や青色申告ができるかが変わります。申告の前に区分を決めておくと、帳簿のつけ方も決めやすくなります。

専門家に相談したい場面

  • 民泊と賃貸を同じ建物で組み合わせていて、区分の判断に迷う
  • 建物の一部を民泊に使い、住宅ローン控除も受けている
  • 売上がのびて、消費税の免税の基準に近づいてきた

よくある質問

民泊の所得は不動産所得ですか?
国税庁の考え方では、原則として雑所得です。賃貸の合間の一時的な民泊は不動産所得に含めてもよく、事業として行うことが明らかなら事業所得になります。
会社員の民泊は、いくらから確定申告が必要ですか?
給与を1か所から受けている人は、民泊を含む給与以外の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。
民泊の赤字は、給与と差し引きできますか?
雑所得の損失は、ほかの所得と損益通算できません。
民泊でも青色申告はできますか?
青色申告ができるのは不動産所得・事業所得・山林所得がある人です。民泊が雑所得なら、青色申告の対象になりません。
民泊の宿泊料に消費税はかかりますか?
課税対象です。ただし、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として免税事業者になります。

関係する記事と相談先

民泊を始める前の全体の流れは「民泊の始め方」、家賃収入の申告は「不動産所得の確定申告」で説明しています。運営を任せる会社を探すなら民泊の会社一覧を見るか、複数の会社にまとめて相談することもできます。

まとめ

  • 民泊の所得は、国税庁の考え方では原則として雑所得
  • 賃貸の合間の一時的な民泊は不動産所得、事業なら事業所得になる
  • 生活用と混ざる費用は、床面積や日数などで按分する
  • 給与を1か所から受ける人は、給与以外の所得が20万円を超えると申告が必要
  • 申告の期間は原則翌年2月16日から3月15日まで

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