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賃貸の間取り変更は得か?2DKを1LDKにする判断と建築確認が要る工事

オーナー収益革命 編集部

賃貸の間取り変更は得か?2DKを1LDKにする判断と建築確認が要る工事

賃貸の部屋の間取りを変えるリフォームを考えるオーナー向けの記事です。間取り変更が向く部屋と向かない部屋、構造上重要でない間仕切壁と主要構造部の違い、建築確認の要否、採光や界壁の注意点を順に説明します。

結論

  • 賃貸の間取り変更は、今の間取りが空室の理由になっていて、工事費を家賃や空室期間の短縮で取り戻せるときに検討します。
  • 構造上重要でない間仕切壁だけを取り払う工事は、国土交通省の事例集で建築確認は不要とされています。
  • 2階建て以上か延べ面積200㎡超の建物などで、壁・柱・床・はり・屋根・階段のどれかの過半を直す工事は、着工の前に建築確認が要ります。

和室が2つある2DKの部屋。内見はあっても、「部屋が細かく分かれていて使いにくい」と断られる。そんなとき、間取りを1LDKに変えれば決まるのでは、と考えるオーナーは多いと思います。

ただ、間取りの変更は壁紙の張り替えより費用が大きく、建物の決まりも関係します。壊してよい壁かどうかで、手続きも変わります。

この記事では、賃貸の間取り変更に絞って、判断の順番と建築確認の見分け方を説明します。リフォーム全体の優先順位は「空室のリフォームの優先順位」で整理しています。

賃貸の間取り変更とは

意味を一言で

賃貸の間取り変更とは、部屋を区切る壁を取り払ったり、新しく足したりして、部屋の数や広さの配分を変える工事のことです。2DKを1LDKにする、和室と台所をつなげる、などが代表例です。

よくある間取り変更の例

  • 2DKの和室と台所の間の壁を取り払い、1LDKにする
  • 広い1Kを仕切って、寝る場所と居間を分ける
  • 押し入れを取り払い、収納付きの洋室にする
  • 隣り合う2つの住戸を1つにまとめる

間取り変更とリフォームの違い

壁紙や床の張り替えは、部屋の形を変えずに見た目を新しくする工事です。間取り変更は部屋の形そのものを変えるため、壁の役割や建物の決まりを確かめる手間が加わります。

間取り変更が向く部屋・向かない部屋

先に空室の理由を確かめる

空室の理由が家賃や設備、写真の見せ方にある場合は、間取りを変えても決まりません。内見で断られた理由を仲介会社に聞き、間取りが理由かを先に確かめます。

向く部屋と向かない部屋

部屋の状態間取り変更理由
細かい部屋割りで、内見で使いにくいと言われる向く断られる理由に直接こたえられる
単身者が多い地域で、家族向けの2DK向く借りる人の層に合わせられる
壁が建物を支える構造になっている慎重に手続きと費用が大きくなる
近いうちに売る予定がある向かない工事費を取り戻す前に手放すことになる
空室の理由が家賃や設備にある向かない間取りを変えても理由が残る

判断の分かれ道

  • 工事費を、上がる家賃と短くなる空室期間で何年で取り戻せるか
  • 周りの同じくらいの家賃の部屋は、どんな間取りが多いか
  • 次の入居者が出たあと、元の間取りに戻したくならないか

工事費を取り戻せるかの考え方

取り戻せるかは、次の2つを足した額で、工事費を割って考えます。

  • 間取りを変えて上がる家賃の1年分
  • 空室が短くなる月数に、家賃を掛けた額

たとえば、割った答えが10年なら、10年住み続けてもらってやっと元が取れる計算です。建物の残りの使用年数や、次に売る時期と比べて、長すぎないかを確かめます。家賃がどれだけ上がるかは、物件や地域によって違うため、仲介会社の意見を参考にします。

周りの部屋の家賃の調べ方は「家賃相場の調べ方」で説明しています。

言葉の言い換え

  • 間仕切壁:部屋と部屋を区切るための壁
  • 主要構造部:建物を形づくり、支える主な部分
  • 建築確認:工事の前に、計画が建築の決まりに合っているかを審査してもらう手続き
  • 特定行政庁:建築確認などを受け持つ自治体の窓口
  • 界壁:共同住宅で、住戸と住戸を分ける壁

壊してよい壁と、手続きが要る壁

主要構造部とは

建築基準法では、壁・柱・床・はり・屋根・階段を「主要構造部」と呼びます(第2条第5号)。ただし、構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、小ばり、最下階の床などは除かれます。

つまり、部屋を区切るだけの軽い壁は、主要構造部に入りません。一方、建物を支える壁は主要構造部です。

大規模の修繕・模様替とは

大規模の修繕・模様替とは、主要構造部の1種類以上について、その過半を直したり作り替えたりする工事のことです(第2条第14号・第15号)。間取り変更でも、支える壁や柱を過半まで動かせばこれに当たります。

過半の数え方

国土交通省の事例集では、過半かどうかは部位ごとに判断します。

  • 壁:総面積に占める割合
  • 柱・はり:総本数に占める割合
  • 床・屋根:総水平投影面積に占める割合
  • 階段:その階ごとの総数に占める割合

ポイント

  • 部屋を区切るだけの軽い壁は、主要構造部に入らない
  • 支える壁・柱・床などの過半を直すと、大規模の修繕・模様替
  • 過半かどうかは、壁は面積、柱は本数など部位ごとに数える

間取り変更に建築確認は要るか

確認が要る建物

建築基準法第6条では、2階建て以上か延べ面積200㎡超の建物で、大規模の修繕・模様替をするときは、着工の前に建築確認を受けるよう定めています。共同住宅などの特殊建築物で、その用途の床面積が200㎡を超えるものも同じです。

国土交通省の事例集によると、2階建ての木造戸建てなどの大規模なリフォームは、2025年4月以降に着工するものから建築確認の対象になりました。

確認が要らない工事

事例集では、構造上重要でない間仕切壁だけを直す工事は、建築確認が不要とされています。キッチン・トイレ・浴室などの水回りだけの工事も不要です。

床の場合は、既存の床の上に新しい仕上げ材を張るだけなら不要です。根太まで直す工事で、面積が過半になると必要になります。

建築確認が要らない工事でも、工事後の建物は建築基準法に合っている必要があります。判断がつかない場合は、物件のある自治体の建築の窓口(特定行政庁)に相談するよう、事例集でも案内されています。

間取りを変えるときの建物の決まり

採光と換気

建築基準法第28条では、住宅の居室に、採光のための窓などを設けるよう定めています。採光に有効な面積は、居室の床面積に対して政令で定める割合以上が必要です。

換気のための窓などは、居室の床面積の20分の1以上が必要です(換気設備を付ける場合を除く)。部屋を仕切って窓のない部屋をつくると、これを満たさなくなることがあります。

住戸の間の壁(界壁)

共同住宅の住戸と住戸の間の壁(界壁)は、隣の生活音を減らす性能が求められ、原則として小屋裏や天井裏まで届かせます(第30条)。隣り合う住戸をまとめたり、分け直したりするときは、この壁に手を入れることになるため、設計者に確かめます。

間取り変更の進め方

工事までの手順

  1. 仲介会社に、断られた理由と、決まりやすい間取りを聞く
  1. 図面で、取り払いたい壁が支える壁か、間仕切壁かを確かめる
  1. 工事会社に、建築確認の要否と、確認が要る場合の期間と費用を聞く
  1. 工事費を何年で取り戻せるかを計算する
  1. 工事のあと、新しい間取りの写真を撮り直して募集する

場面の例:2階建てアパートの2DK

Mさんは、2階建ての木造アパートの2DKを1LDKにしたいと考えました。工事会社に図面を見てもらうと、和室と台所の間の壁は構造上重要でない間仕切壁でした。

この壁を取り払い、床の仕上げをそろえる工事なら、建築確認は要らない見込みです。Mさんは、ほかの部屋も同じ工事にするかは、1部屋目の反応を見てから決めることにしました。

場面の例:鉄骨造の3階建てで住戸をまとめる

Oさんは、3階建てのマンションの隣り合う2つのワンルームを、1つの広い住戸にまとめたいと考えました。2つの部屋の間の壁は、住戸と住戸を分ける界壁です。

界壁には遮音の決まりがあり、建物の構造によっては支える壁でもあります。Oさんは設計者に図面を見てもらい、壁を抜けるか、建築確認が要るかを確かめてから、工事会社に見積もりを頼むことにしました。

場面の例:広いワンルームを仕切る

Pさんは、広めのワンルームに仕切りを足して、寝る場所を分けたいと考えました。仕切りで窓のない側ができると、そこは採光や換気の決まりを満たさない場合があります。

Pさんは、天井まで届く壁ではなく、引き戸や家具で緩く仕切る方法も比べることにしました。工事が小さく、次の入居者に合わせて元に戻しやすいためです。

工事の前のチェックリスト

  • 内見で断られた理由に、間取りが入っているか
  • 取り払う壁が、支える壁か、構造上重要でない間仕切壁か
  • 建物が2階建て以上か、延べ面積が200㎡を超えるか
  • 直す部位の量が、壁は面積、柱は本数などで過半にならないか
  • 工事のあと、窓のない部屋ができないか
  • 住戸の間の界壁に手を入れないか
  • 工事費を何年で取り戻せるか

経費の扱い

国税庁のタックスアンサー No.1379 では、用途変更のための模様替えなど、改造・改装に直接かかった費用は資本的支出の例に挙げられています。間取り変更の費用がどちらに当たるかは「修繕費と資本的支出」を参考に、税理士に確かめます。

よくある失敗と防ぎ方

柱や壁の役割を確かめずに壊す

壁を壊してから支える壁だと分かると、補強や手続きで費用も期間も増えます。工事の前に図面と現地で確かめます。

窓のない部屋を居室として募集する

仕切りを足して部屋数を増やしても、採光や換気の決まりを満たさない部屋は居室とは言えません。部屋数を増やす工事は、設計者に確かめてから進めます。

手続きの期間を見込まずに募集を組む

建築確認が要る工事では、設計の図面をそろえて審査を受けてから着工します。その期間を見込まずに入居の時期を決めると、空室の期間がかえって長くなります。工事会社に、確認が要る場合の日程を先に聞いておきます。

周りと比べずに広くする

広い1LDKにしても、周りに同じ家賃でより新しい部屋があれば決まりにくいままです。募集条件全体の見直しは「募集条件の見直し」で説明しています。

よくある質問

賃貸の間取り変更に建築確認は必要ですか?
構造上重要でない間仕切壁だけを直す工事は不要とされています。2階建て以上か延べ面積200㎡超の建物などで、主要構造部の過半を直す工事は必要です。
2DKを1LDKにすると家賃は上がりますか?
物件や地域によって違います。周りの同じ広さの部屋の家賃と比べ、仲介会社の意見も聞いて判断します。
和室を洋室にする工事に手続きは要りますか?
床の上に仕上げ材を張るだけなら建築確認は不要です。根太まで直す工事で面積が過半になると必要になります。
部屋を仕切って部屋数を増やせますか?
増やせる場合もありますが、居室には採光と換気の決まりがあります。窓のない部屋ができないか、設計者に確かめます。
建築確認の要否は誰に聞けばよいですか?
まず工事会社や設計者に図面を見てもらいます。判断がつかない場合は、物件のある自治体の建築の窓口に相談します。

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まとめ

  • 間取り変更は、間取りが空室の理由になっているときに検討する
  • 構造上重要でない間仕切壁だけの工事は、建築確認が不要とされる
  • 主要構造部の過半を直す工事は、建物の規模によって建築確認が要る
  • 窓のない部屋ができないか、界壁に手を入れないかを確かめる
  • 工事費を何年で取り戻せるかを、工事の前に計算する

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