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防犯カメラを賃貸物件に付けるとき|個人情報の扱い・作動中の掲示・録画の保存

オーナー収益革命 編集部

防犯カメラを賃貸物件に付けるとき|個人情報の扱い・作動中の掲示・録画の保存

賃貸アパートやマンションの共用部に防犯カメラを付けるときの、個人情報の扱いを整理した記事です。利用目的の決め方、作動中の掲示、録画の保存と消去、警察から求められたときの対応を、個人情報保護委員会の案内にそって説明します。

結論

  • 賃貸物件の防犯カメラで人の顔が分かる映像を撮ると、個人情報を扱うことになります。オーナーは利用目的をできる限り特定し、その範囲で映像を使います。
  • 個人情報保護委員会の案内では、設置の状況から防犯目的が明らかなら、利用目的の通知・公表は不要と考えられています。ただし、撮られていると気づきにくい場所では、作動中であることを掲示するなどの措置が要ります。
  • 防犯以外の目的に使う予定があるなら、その目的も先に決めて知らせておきます。録画は保存期間を決め、要らなくなったら消すよう努めます。

共用部に防犯カメラを付ければ、入居者は安心しやすくなります。募集の資料に「防犯カメラあり」と書ける点も魅力です。

一方で、「入居者を勝手に撮ってよいのか」「映像を見せてと言われたらどうするのか」と迷うオーナーも多いと思います。

この記事では、賃貸物件に防犯カメラを付けるときの個人情報の扱いに絞って説明します。鍵や照明など建物全体の防犯は「空き家の防犯対策」でも扱っています。

賃貸の防犯カメラと個人情報の関係

映像は個人情報になるか

個人情報とは、特定の個人を見分けられる情報のことです。個人情報保護委員会のQ&A(Q1-13)では、カメラで特定の個人を見分けられる画像を取得すると、個人情報を扱うことになるとしています。

つまり、エントランスで顔が分かる映像を撮れば、その映像は個人情報です。入居者だけでなく、来客や配達の人の映像も同じです。

オーナーは対象になるか

個人情報保護法の義務の多くは「個人情報取扱事業者」にかかります。これは、名前などで探せるように整理した個人情報の集まり(個人情報データベース等)を、事業に使っている人のことです(法第16条)。

入居者の名簿をパソコンで管理して賃貸業をしている場合は、個人のオーナーでも当たる可能性があります。迷う場合は、当たる前提で備えておくと安心です。

言葉の言い換え

  • 利用目的:何のために映像を撮り、使うのか
  • 通知・公表:本人に知らせること、または掲示やホームページで誰でも分かるようにすること
  • 安全管理措置:映像が漏れたり、なくなったりしないための備え

利用目的の決め方と通知・公表

目的をできる限り特定する

法第17条では、個人情報を扱うときは利用目的をできる限り特定するよう求めています。防犯カメラなら、まず「防犯のため」と決めます。

ほかにも、ごみ置き場の不法投棄の確認や、設備の破損の確認に使う予定があるかもしれません。その場合は、使う予定の目的を最初から書き出しておきます。

防犯目的が明らかなら通知・公表は不要

法第21条では、個人情報を取得したら利用目的を本人に通知するか、公表するよう求めています。ただし、取得の状況から利用目的が明らかな場合は、この義務がかかりません(法第21条第4項第4号)。

個人情報保護委員会のQ&A(Q1-13)は、カメラの設置状況などから防犯目的が明らかな場合は、これに当たり、通知・公表は不要と考えられるとしています。

防犯以外の目的は知らせておく

「防犯」以外の目的は、カメラの見た目だけでは分かりません。不法投棄やマナー違反の確認にも使うなら、掲示などで目的を公表しておくのが確実です。

最初に決めた目的の範囲を超えて映像を使うには、あらかじめ本人の同意が要ります(法第18条第1項)。後から目的を足すより、設置の前に決めておく方が安全です。

作動中の掲示はなぜ必要か

撮られていると気づけるようにする

法第20条第1項では、偽りなど不正な手段で個人情報を取ってはならないとしています。Q&A(Q1-13)は、撮られていると本人が気づきにくい設置の場合には、気づけるようにする措置を講じなければならないとしています。

措置の例として挙げられているのは、防犯カメラが作動中であることを、入口やカメラの設置場所に掲示することです。

見た目で分かっても掲示する

カメラだと一目で分かる場合でも、掲示をするとより分かりやすくなるため、望ましいとされています。小さなカメラや、天井に目立たず付けるカメラなら、なおさら掲示が必要です。

場面通知・公表掲示
一目でカメラと分かり、防犯だけに使う不要と考えられる望ましい
目立たない形で付け、防犯だけに使う不要と考えられる気づける措置が必要
防犯のほかに不法投棄の確認にも使う目的の公表などが必要必要

ポイント

  • 防犯カメラの映像は、人が見分けられれば個人情報
  • 利用目的をできる限り特定し、その範囲で使う
  • 防犯目的が明らかなら、通知・公表は不要と考えられる
  • 作動中の掲示は、見た目で分かる場合でもしておく

録画の保存期間と管理のしかた

保存期間を決めて消す

Q&A(Q5-4)では、法第22条にもとづき、利用の必要性を考えて保存期間を決め、要らなくなったら遅滞なく消すよう努めるとしています。法律で何日と決まっているわけではありません。

録画機の多くは、古い映像から上書きされる仕組みです。上書きまでの期間を確かめ、それを保存期間として決めておきます。

映像が漏れないようにする

Q&A(Q10-8)は、安全管理の例として、見られる人を限る、責任者を決める、録画機の盗難を防ぐといった措置を挙げています。ネットにつながるカメラなら、パスワードの設定などのアクセス制御も例に入っています。

日時でしか探せない録画の扱い

Q&A(Q1-41)では、日時で探せても特定の人の映像を探せない録画は、個人情報データベース等に当たらないと解されています。その場合も、漏れないように同じ備えをとるのが望ましいとされています。

設置の前にオーナーが決めること

カメラの向きと範囲

賃貸の防犯カメラは、エントランス、ごみ置き場、駐輪場、駐車場などの共用部に付けるのが一般的です。特定の部屋の玄関の中や、ベランダ、隣の家の窓が映らないよう、向きを決めます。

撮る範囲が広すぎると、入居者の暮らしを必要以上に記録することになります。防犯に要る範囲に絞るのが基本です。

設置までの手順

  1. 防犯のほかに使う目的があるかを決める
  1. カメラの位置と向きを決め、映らない方がよい所がないか確かめる
  1. 保存期間と、録画を見られる人を決める
  1. 作動中であることと、目的を書いた掲示を用意する
  1. 入居者に、設置の時期と目的を知らせる

管理会社に任せる場合

録画の確認を管理会社に任せる場合、オーナーには委託先を監督する義務があります(法第25条)。誰が録画を見られるのか、どう保管するのかを、管理委託契約や取り決めで確かめます。

掲示に書いておくこと

  • 防犯カメラが作動中であること
  • 防犯のほかに使う目的があれば、その目的
  • 問い合わせ先(オーナーか管理会社の連絡先)

掲示は、カメラの近くだけでなく、エントランスなど最初に目に入る場所にも出すと伝わりやすくなります。

場面で考える賃貸の防犯カメラ

例1:木造アパートのごみ置き場

Sさんの木造アパートでは、ごみ置き場に住んでいない人のごみが捨てられることが続いていました。Sさんは、ごみ置き場を映すカメラを1台付けることにしました。

不法投棄の確認にも使うため、掲示には「防犯と不法投棄の確認のため」と目的を書きました。カメラの向きは、ごみ置き場の中だけが映るように調整し、前の道を歩く人や隣の家が映らないようにしました。

例2:オートロックのないマンションの入口

Tさんのマンションは入口にオートロックがなく、女性の入居者から不安の声がありました。Tさんは入口と郵便受けの前にカメラを付け、録画の確認は管理会社に任せることにしました。

管理会社とは、録画を見られる担当者を決め、見た日と理由を記録してもらう取り決めを交わしました。入居者には、設置の時期と目的、問い合わせ先を書面で知らせました。

判断の分かれ道

  • 防犯だけに使う:掲示をし、目的が明らかな状態にしておく
  • 防犯以外にも使う:目的を特定し、掲示などで公表しておく
  • 録画を管理会社に任せる:見られる人と保管の方法を取り決める
  • ネットにつながるカメラにする:パスワードの設定と見られる人の制限をする

警察や入居者から映像を求められたら

警察からの照会

Q&A(Q7-17)では、警察などの捜査機関から刑事訴訟法第197条第2項にもとづく照会があった場合、回答は「法令に基づく場合」(法第27条第1項第1号)に当たり、本人の同意は要らないとしています。

ただし、後から説明できるように、照会した捜査官の役職と氏名を確かめ、提供したことを記録しておくことが必要とされています。

入居者からの求め

「自転車を壊された。映像を見せてほしい」と入居者に言われることもあります。ほかの入居者が映っている映像をそのまま渡すと、トラブルのもとになります。

警察に相談してもらい、警察からの照会に応じる形をとるなど、対応の手順を先に決めておくと迷いません。入居者からの苦情への備えは「入居者のクレーム対応」も参考になります。

よくある失敗と防ぎ方

掲示を付けない

見た目で分かるからと掲示を省くと、入居者から「知らなかった」と言われることがあります。掲示は費用も手間も小さいので、設置と同時に付けます。

マナー注意に映像を使う

ごみ出しの違反を映像で見つけ、名指しで注意すると、目的の範囲を超えた使い方と受け取られることがあります。こうした使い方をするなら、事前に目的として公表しておきます。

入居者に何も知らせない

ある日突然カメラが付くと、入居者は「見張られている」と感じることがあります。設置の前に、目的と撮る範囲、問い合わせ先を書面や掲示で知らせておくと、不安や苦情を減らせます。

録画を誰でも見られる

家族や作業の人が自由に録画機を触れる状態は、漏れの原因になります。見られる人を決め、録画機は鍵のかかる場所に置きます。

よくある質問

賃貸の防犯カメラは入居者の同意が要りますか?
防犯目的が明らかで、その範囲で使うなら、個人情報保護委員会のQ&Aでは利用目的の通知・公表は不要と考えられています。目的を超えて使う場合は、あらかじめ本人の同意が要ります。
防犯カメラ作動中の掲示は必要ですか?
撮られていると気づきにくい設置なら、掲示などの措置が必要です。見た目で分かる場合でも、掲示しておくことが望ましいとされています。
録画は何日保存すればよいですか?
法律で日数は決まっていません。利用の必要性を考えて保存期間を決め、要らなくなったら消すよう努めます。
警察に映像を渡してよいですか?
捜査機関からの法令にもとづく照会への回答は、本人の同意なく行えるとされています。照会した人の役職と氏名を確かめ、記録を残します。
部屋の玄関が映ってもよいですか?
共用部の防犯に要る範囲に絞るのが基本です。特定の部屋の中やベランダが映らないよう、向きを調整します。

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まとめ

  • 顔が分かる防犯カメラの映像は個人情報になる
  • 利用目的をできる限り特定し、防犯以外に使うなら先に知らせる
  • 作動中の掲示は、見た目で分かる場合でもしておく
  • 保存期間を決め、見られる人を限り、要らなくなったら消す
  • 警察からの照会には、相手を確かめ記録を残して応じる

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